3月8日、都内にて、「第6回 東京‐北京フォーラム」の第1回実行委員会が開かれました。本フォーラムは今年夏、東京での開催が予定されており、この日の会合は開催に向けた基本的な方針を定めるために開かれたものです。
会合には、実行委員長の安斎隆氏(セブン銀行代表取締役社長)、最高顧問の小林陽太郎氏(元経済同友会代表幹事)や、明石康氏(元国連事務次長)をはじめとする副実行委員長の各氏、財務委員長の副島利宏氏(三井物産株式会社顧問)、企画委員長の国分良成氏(慶應義塾大学法学部長・教授)、運営委員長の工藤泰志(言論NPO代表)など、オブザーバーも含めて計32名が参加しました。また、中国側からも中国国務院新聞弁公室および中国日報社より、計3名が出席しました。
最初に挨拶を行った最高顧問の小林陽太郎氏は、「本フォーラムは10回の開催を予定しているが、今年の第6回大会からは後半に入るということで、ひとつの大きな節目となるだろう」と述べました。そのうえで「グローバル化の時代において従来とは異なる様相を呈している日中間の諸課題について、率直な意見交換を行っていきたい」としました。
実行委員長の安斎氏は、「中国が経済的にどんどん大きくなっていく中で、日本が内に篭ることのないよう、この国を外に開いていくための会合にしたい」と抱負を語り、今年の第6回フォーラムが、第1回目に匹敵する重要性を持つものであることを強調しました。
続いて、運営委員長を務める工藤より、今回のフォーラムの基本方針について説明がありました。この中では、開催日程や会場などに加え、全体会議のテーマや分科会の構成などについても提案がなされました。運営の方針としては、会場参加者との対話を重視し、内容を広く公開していくことや、専門的なテーマについては十分な事前準備を行い、提案型の議論にしていくことなどが挙げられました。
これらを受けて、出席者間で意見交換が行われました。工藤が提案した「会場との対話型議論」については賛同する声が多く、中谷元氏(衆議院議員、元防衛庁長官)も昨年のフォーラムでの経験に触れつつ、「形式にとらわれず、市民レベルで本音の対話をすることには意義があるだろう」と語りました。議論の幅広い公開については、会議の中継を検討することや、各メディアを巻き込んだしくみをつくっていくことなどが提案されました。
また、第5回フォーラムでの反省も踏まえ「各分科会で議論のテーマやパネリストの選出などについて、より早い段階から日中の間で対話を行っていくべきだ」との意見が、田波耕治氏(三菱東京UFJ銀行顧問)や小島明氏(日本経済研究センター特別顧問)、増田寛也氏(野村総合研究所顧問、元総務大臣)など複数の出席者から示されました。議論のテーマについて明石氏からは、アメリカも含めた「アジア太平洋」という広い視野で議論を行ってはどうかといった提案があり、国分氏や小林氏はこれに賛同を示しました。この他にも、全体会議や分科会のテーマと構成については様々な提案があり、活発な意見交換が行われました。
中国側出席者からの挨拶の後、最後に明石氏が「このフォーラムが持つ極めて大きな重要性について改めて確認できた。第2回実行委員会は5月の開催を目指し、今日の実りある議論を参考にしながら準備を徹底していきたい」と述べ、会合を締めくくりました。
文責:インターン 楠本純(東京大学)
3月8日、都内にて、「第6回 東京‐北京フォーラム」の第1回実行委員会が開かれました。本フォーラムは今年夏、東京での開催が予定されており、この日の会合は開催に向けた基本的な方針を定めるために開かれたものです。