「第6回 東京‐北京フォーラム」第4回実行委員会 報告

2010年9月27日

「第6回 東京‐北京フォーラム」第4回実行委員会

 9月27日、都内ホテルにて、第6回東京-北京フォーラムの最後の実行委員会が開催され、本年8月末に開催された第6回東京-北京フォーラムの総括や今後の課題について議論が行われました。

 実行委員会には、最高顧問の小林陽太郎氏(前新日中友好21世紀委員会日本側座長)の他、実行委員長の安斎隆氏(セブン銀行代表取締役会長)や、明石康氏(元国連事務次長)、増田寛也氏(野村総合研究所顧問)をはじめとする副実行委員長の各氏、運営委員長の工藤泰志(言論NPO代表)など、オブザーバーも含めて計26名が参加しました。

工藤泰志 まず代表工藤より、今回のフォーラムの全体報告がなされました。工藤は、参加者数やホームページアクセス数が過去5回と比較して大きく増加していることを評価すると同時に議論の内容について、「とりわけ外交・安全保障対話やメディア対話においては、パネリストによる一方的な報告ではなく、ある課題に対してパネリスト間での本音の議論が行われ、さらに会場からの意見も取り入れることができた」とし、このフォーラムが目指している会場連動型の議論が実現しつつあると指摘しました。一方で、分科会の中には事前の準備不足などから運営に不十分なものがあった、と指摘し、今回明らかになった課題についても次回以降改善していく旨の報告がありました。

 実行委員からは、今回のフォーラムが過去と比べて大きく発展した、ことに対する一致した意見が出されましたが、それにとどまらず、尖閣諸島問題を契機に悪化する日中関係に対して、民間対話としてのこのフォーラムがどう役割を果たすべきか、に関して突っ込んだ意見が交わされました。

小林陽太郎氏 その中で、小林陽太郎氏は、「東京-北京フォーラムは、それぞれの分野のプロが多数参加して議論を行う稀有な会合として、非常に貴重な存在になってきたと思う。だからこそ、現在のような困難があってもこの対話を継続していかなければならない」と述べ、この民間対話を今後一層発展させていく必要性を訴えました。安斎氏は、「このフォーラムが1ヶ月前に終わったとは思えないほど、日中関係に激しい変化が起こっているが、そうであるならばなおさらこの対話をしっかりと継続する必要がある」と指摘しました。

 また、会場からは、「このフォーラムが、雨の日も風の日も固くつながっているパイプとして日中間で機能しているということを意思表示し、また機能させるための工夫を考えていくべき時期だ」などの意見も出されました。

 こうした各実行委員による意見を踏まえ、代表工藤は、「このフォーラムは日中関係の危機の時に立ちあがったが、今再び困難が起こった時も機能するフォーラムなのか、そこまでこの対話が発展したのか、が問われている」と指摘すると同時に、「相互理解のための議論とともに、今回のような課題解決のための議論も深めていき、今後は具体的な提案や提言ができる体制を整えていきたい」と述べ、実行委員の協力を得ながら、今後さらにこのフォーラムを発展させていく決意を表明しました。

明石康氏 最後に、明石氏は「大変熱のこもった議論ができた。様々な課題はあるが、成果があったということは皆で一致している。短期的な効果だけを求めずに、これからもこの対話を継続していく価値はある。今年中に来年の開催に向けて準備を始めることが重要だ」と述べ、本会を締めくくりました。

 言論NPOでは、今回の議論を参考に、来年以降の東京-北京フォーラムに向けて新たな動きをスタートします。これらの模様については、順次ウェブサイトにて公表していく予定です。

 9月27日、都内ホテルにて、第6回東京-北京フォーラムの最後の実行委員会が開催され、本年8月末に開催された第6回東京-北京フォーラムの総括や今後の課題について議論が行われました。