3月10日、都内ホテルにて、第7回北京-東京フォーラムの第一回実行委員会が開催されました。今回は明石康氏(財団法人国際文化会館理事長)、小林陽太郎氏(前富士ゼロックス株式会社最高顧問)、増田寛也氏(株式会社野村総合研究所顧問)らのほか、石破茂氏(自由民主党政務調査会長)、宮本雄二氏(前駐中国特命全権大使)が新実行委員として参加、さらに、中国側からも国務院新聞弁公室副局長の丁小鳴氏も来日し、総勢27名が参加しました。
まず、最高顧問の小林氏より開会の挨拶がなされ、「昨年以来、日中関係はかつてなく厳しい状況にあり、両国それぞれに国内の問題があるほか、米中間の問題もあり、流動的な状況のもとで今回のフォーラムが開催される。従来にまして重要なフォーラムになるだろう」と指摘しました。
その後、代表工藤より「第7回北京-東京フォーラム」の現時点での開催概要について、説明がなされました。工藤は、「昨年の第6回フォーラムでは内容としてもかなりステップアップしたが、その直後に尖閣問題があった。それを総括し、教訓を引き出したうえで、両国民の相互理解を深める必要がある」と述べ、今回の状況に合わせるような企画をつくり上げるために、4月に中国側と事前協議を行うことを明らかにしました。また、その後実行委員会と基本的な開催概要を決定し、6月に世論調査を実施、8~9月にフォーラムを開催するという現時点でのスケジュールを報告しました。
また、丁小鳴氏は、「いま、中日両国の戦略的互恵関係が深まろうとしているときに、このフォーラムは非常に重要な役割を果たす。第7回フォーラムが順調に開催されるように、我々としても便宜を提供したい」と述べ、今回のフォーラムの成功に向けて最大限の協力を行うことを指摘しました。
その後、参加者間での意見交換が行われました。
まず、宮本氏は「外交の現場から離れてみると、見えるものも違ってくる。民間の立場で真剣な議論を行い、外交の現場にいる外交官や政府に対して実行可能な見解を提起することの意味は非常に大きいと思う」と述べ、このフォーラムで何らかの提案を出すことに積極的な意見を述べました。
小林氏は、前期新日中友好21世紀委員会座長としての経験を踏まえ、「日中双方で、知的なレベルで対話をしようという雰囲気はたしかにある。尖閣問題をはじめとして両国が譲れない問題で、解決する方法があるのであればどういう形があるのか、レッスンがあればどういう点を学べばいいのか、非難だけではなく少しでも知的な対話を進めていく必要がある」と指摘しました。
石破氏は、「尖閣のような問題で、議論を避けてはいけない。ただ、領土がどちらのものだという意義論をしても意味が無い」と述べ、そもそもの違いを共通認識を踏まえた上で本質的な議論を行なうことが必要との見解を表明しました。
増田氏は、「現在の状況を見れば、今回のフォーラムでは「外交・安全保障」と「政治」を徹底的に議論することになるだろう。日中間のパイプが細くなったときに太くしようと立ち上がったフォーラムの原点に立ち返り、多様なパイプを将来に向けて構築していくという意思で、実のある議論を行うべきだ」と述べました。
最後に、明石氏はこうした活発な意見交換を踏まえ、「今回は実行委員会なのか、本番の前哨戦なのか分からないほど活発な議論がなされた。一致しているのは、日中関係が困難な局面に面している今だからこそ、このフォーラムが大きな役割を果たせるのだということ。「戦略的互恵」が単なるスローガンではなく、どういう内容を付け加えることができるのかという、大変だが重要な仕事が我々の前にある」と述べ、今回の開催に向けた意気込みを語りました。
3月10日、都内ホテルにて、第7回北京-東京フォーラムの第一回実行委員会が開催されました。