今回の日本側参加者は、代表工藤の他、明石康氏(財団法人国際文化会館理事長、元国連事務次長)、秋山昌廣氏(海洋政策研究財団会長、元防衛事務次官)、高原明生氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)、松本健一氏(麗澤大学経済学部教授、内閣府参与)、宮本雄二氏(前駐中国特命全権大使)の5名、中国側参加者は、趙啓正氏(全国政協外事委員会主任)、陳昊蘇氏(中国人民対外友好協会会長)、呉健民氏(国家創新与発展戦略研究会副会長、国際展覧局名誉主席)、陳健氏(中国国連協会会長)、魏建国氏(中国国際経済交流センター秘書長)、楊毅氏(中国国防大学・戦略研究所所長、少将)、劉江永氏(清華大学教授)の7名。総勢13名で日中関係や世論の動向について真剣な議論を繰り広げます。
今回の協議の模様は随時言論NPOのウェブサイトで公表される他、協議結果は、今夏開催予定の本フォーラムのテーマや議論内容に反映されます。ぜひ、ご期待ください。
今回の訪中に先立ち、事前協議の意義について、日本側参加者を代表して明石康氏、宮本雄二氏、松本健一氏がコメントを寄せています。
明石 康 氏 (財団法人国際文化会館理事長、元国連事務次長)
この夏に我々が予定している「第7回 北京-東京フォーラム」の準備のために、中国側の責任者と話をするという大事な仕事で、これから我々は北京に出かけることになっています。昨年の第6回のフォーラムは、色々な意味で、非常に真剣で、噛み合った議論ができ、私は満足をしておりました。しかし、そのフォーラムの直後に尖閣諸島の事件が起こり、日中関係がかなり厳しい事態になりました。今年のフォーラムをどのように進めていくのかということを、私も心配していましたところ、東北関東大震災の支援として、中国側からも前向きで暖かい、大規模な支援をしていただき、中国の若い世代の人たちの隣人としての心が伝わってきました。両国の世論の動きも大いに変わってきていますし、これを踏まえて、アジアの最大の2つの国が、色々な懸案にどういう風に対処していくかということに、アジアと世界の平和の明日がかかっていると思います。それについて、じっくりと先方の問題意識も聞きながら、実りある日中対話を進めて行くのに、役立つような訪中であってほしいと考えています。
宮本 雄二 氏 (前駐中国特命全権大使)
北京にいる際に、過去3回「東京-北京フォーラム」の中国での開催時に参加させていただきました。非常にいい活動をしておられるなということで、大変頼もしく思っておりましたが、今回、そのメンバーとして参加できるようになったことを、大変うれしく思っております。日本と中国の間には色々あるのですが、一番欠けているものは相互理解だと思います。相互理解をさらに深めている場というか、チャネルはいくらあっても足りないというのが現状です。とりわけ、言論NPOみたいに、はっきりとした目的意識、寄ってたつ自分たちの理念をお持ちの団体が、中国との間でも積極的に対話をしていただけるというのは、大変ありがたいと思っています。今回、尖閣諸島の問題がありましたが、日本における大地震、原発の事故を通じて、ある意味で日本と中国の心が近づいたかな、という感じがしております。それを確認するとともに、これを契機として、さらに日本と中国の関係が改善するように、今回は、言論NPOのメンバーの1人として努力していきたいと思います。
松本 健一 氏 (麗澤大学経済学部教授、内閣府参与)
日本政府の方では、「北京-東京フォーラム」を含めて、日中関係がうまくいってくれるということを期待しています。そして、言論NPOの役回りというものも、十分理解しているので、今年の「第7回 北京-東京フォーラム」がうまくいくように、こちらも手配していきたい、そういう風に思っております。
3月31日、言論NPOは、今夏開催予定の「第7回北京-東京フォーラム」の事前協議のための訪中団を結成し、本日北京に向けて出発しました。今回の事前協議のミッションは、昨年9月に起こった尖閣諸島沖漁船衝突事故、ならびにその後の東日本大震災を経て、両国民の世論や相手国に対する認識がどのように変化したのか、国民レベルの相互理解の問題点は何なのかを改めて明らかにし、それを乗り越える策を探ることです。
事前協議の意義とは/明石康氏、宮本雄二氏、松本健一氏(4/1)
北京空港での歓迎式(4/1)
明日の本格的な事前協議に向けて/工藤泰志(4/1)
「第7回北京-東京フォーラム」事前会議 報告(4/2)