9月21日、都内において、「第7回北京-東京フォーラム」の総括を行う第4回実行委員会が開催され、実行委員長の明石康氏(財団法人国際文化会館理事長)のほか、小林陽太郎氏(前富士ゼロックス株式会社最高顧問)、宮本雄二氏(前駐中国特命全権大使)、増田寛也氏(株式会社野村総合研究所顧問)、武藤敏郎氏(株式会社大和総研理事長)など、オブザーバーを含めて約30名が参加しました。
まず、実行委員長の明石氏は、今回の第7回大会の内容は参加した多くの関係者から高い評価を受けているとしつつも、「構造的に強化しなければならないこと、改善しなければならないことは多々ある」と述べ、課題を明らかにして次回に活かす必要性を指摘しました。
明石氏の挨拶を受け、代表工藤は今回のフォーラムを総括し、①尖閣諸島問題以降、国民間の感情が悪化していく中で、各分科会において相互理解を深める議論ができたか、②それを多くの人々に伝えることができたか、という二点について報告しました。①については、まず、経済対話において、世界第二位と第三位の経済大国によるFTA締結に向けて具体的な議論が噛みあったこと、そしてメディア対話では、日本の東日本大震災や中国での新幹線衝突事故を受け、メディアが国民の命や安全のために役割を果たす重要性が共通認識として共有された点などを説明しました。そして②については、中国での開催としては例年になく多い参加者数や中国側メディアの報道があったことが指摘された一方で、日本国内のメディアでの露出が少なかったことから、発信力を高めるための方策については今後の大きな課題として残されているとしました。
その後参加者との意見交換が行われ、とりわけ経済対話について、民間の実務者が多数参加されたことで画期的な分科会だったと高く評価する声が多く出た一方、「来年はさらに認知度を高めるために、本大会以前にプレサミットを開催して日本の社会に対して問題提起をしたらどうか」(小島明氏(日本経済研究センター研究顧問))、「分科会をクロスさせる工夫を凝らし、中国からのパネリストや参加者が日本の経済界の有力者と会う場を設定すると双方にとってより有意義ではないか」(増田寛也氏)など、今後に向けた積極的な提案がなされました。
こうした意見を受け、副実行委員長の宮本氏は、「中国は国策として日中関係の改善に本気で取り組んでおり、40周年という一年の中でこのフォーラムがひとつの行事として位置づけられれば、来年は非常に重要な意味を持つ会となるだろう」と述べました。
最後に、工藤はこうした提案を次回に積極的に活かす意向を示した上で、「これまでは相互理解の深化が大きな目的であったが、今回は日中両国に明確な違いが見え始め、その上で個別のアジェンダが浮かび上がってきている。このフォーラムで何を成果とし、何を実現していくのかを固めた上でしっかりとした議論をすべき段階にきた」と述べ、日中国交正常化40周年という記念すべき年に東京で開催される第8回大会に向け、早速準備を進めていきたいと述べ、本会を締めくくりました。
9月21日、都内において、「第7回北京-東京フォーラム」の総括を行う第4回実行委員会が開催され、実行委員長の明石康氏(財団法人国際文化会館理事長)のほか、小林陽太郎氏(前富士ゼロックス株式会社最高顧問)、宮本雄二氏(前駐中国特命全権大使)、増田寛也氏(株式会社野村総合研究所顧問)、武藤敏郎氏(株式会社大和総研理事長)など、オブザーバーを含めて約30名が参加しました。