米外交問題評議会(CFR)が主催する国際諮問会議(CoC)の設立総会が米国首都、ワシントンで12日に開催され、世界19カ国の主要シンクタンクの代表が出席し、日本からは言論NPO代表の工藤が出席した。
初日の12日は、グローバル・ガバナンスの課題、イラン核開発問題、リビア問題について委員の間で熱い討議がなされた。
CFRの方針として、出席者の発言が原則としてオフレコ扱いとされ、参加各委員の発言を引用することができないため、ここでは感想程度にとどめる。
いずれのセッションにおいても、共通する参加者間の問題意識は、国連(とくに安全保障委員会)の機能不全、それを補完もしくは代替する役割を担っているG20に正当性があるのか、というもの。そして、民間の非営利組織の独立したシンクタンクの連動として、こうしたグローバル・ガバナンスに関して何ができるかが、何度も討議になった。
イラン核問題では参加国の間で意見の対立が見られ、リビアなどの問題では介入後の出口戦略問題での原則作りが話題になった。
いずれも議論は本音で行われたが、初日はアジア関連のテーマではなかったこともあり、欧州側とアジアの参加者の間で認識の差が目立った。
議論全般で感じたのは、米国や欧州諸国がこれまでに担ってきた役割が、新興国の台頭により大きく揺らいでいるという危機意識である。
第二次世界大戦から冷戦構造の崩壊、米国による一極支配体制がいまや完全に行き詰まり、世界経済問題のみならず国際政治問題(軍事も含む)を解決するための新たな規範やルール作りの必要性については共通認識となっている。
とりわけ興味深かった論議は、中国をはじめとする新興国(ロシア、ブラジル、インド、南アなど)が、切迫するイランやリビア問題から欧州債務危機、地球温暖化、国際テロ対策といったグローバルな課題を解決していく上で、どのような貢献ができるのかが問われていることだ。
また、出席者の間では中国の立場や行動規範に関しては強い関心が寄せられる発言もでたが、日本の役割について言及がなされることはほとんどなかった。もちろん日本はG20の主要メンバーであることは確かであるが、その存在感の低下を実感した。
2日目の会議では、国際通貨問題、とりわけ基軸通貨としての米国ドルの将来について議論が予定されており、言論NPOの工藤がパネリストとして登壇する。またCoCの今後の運営の方針に関しての討議が行われる。
米外交問題評議会(CRF)が主催する国際諮問会議(CoC)の設立総会が米国首都、ワシントンで12日に開催され、世界19カ国の主要シンクタンクの代表が出席し、日本からは言論NPO代表の工藤が出席した。