7月1日、「第8回東京‐北京フォーラム」の開幕を翌日に控え、言論NPO主催の晩餐会がホテル・オークラ東京で開催されました。晩餐会では、野田総理から本フォーラムに寄せられたメッセージが読み上げられたほか、日中双方の参加者を代表して本フォーラムの日本側実行委員長である明石康氏(公益財団法人国際文化会館理事長、元国連事務次長)と、中国側名誉主席である趙啓正氏(全国政治協商会議外事委員会主任)らが挨拶を行い、明日からの本フォーラムの成功を誓って盛会のうちに晩餐会は散会しました。
まず日本側参加者を代表して、明石康氏が挨拶を行いました。明石氏は孔子の言葉を引用し、「残念ながら日中両国は互いに『惑い』のない関係には達していない。今回のフォーラムの、真剣で前向きな議論によって不惑への道標としたい」と今回のフォーラムに対する期待を述べました。
次に中国側参加者を代表して、中国側実行委員会秘書長の高岸明氏(中国日報副編集長)が挨拶を行い、「目下、日中関係には新たなスタートライン、チャンスが到来している。今年は『日中国民交流友好年』であり、このメインテーマもまた『新たな出会い、心の絆』である。新たなチャンスを前にした本フォーラムは、日中関係に対してより大きな貢献をしなくてはならない」と述べました。
続いて、山野内勘二氏(外務省アジア大洋州局参事官)が野田総理の本フォーラムに寄せたメッセージを代読しました。野田総理は、「政権を挙げて取り組んでいる内政上の重要案件について、全力を傾注する必要がある」ために本フォーラムに参加できないことを「大変残念」としつつ、本フォーラムの参加者が、6月下旬に公表された日中共同世論調査の結果も踏まえて「様々な角度から日中関係の現状に対して検証を加え」た上で、本フォーラムが日中間の「戦略的互恵関係」の更なる深化に向けた積極的な提言をすることを期待していると述べました。(野田総理メッセージの全文はこちらをご参照ください。)
次に中国側参加者を代表して趙啓正氏が挨拶し、「現在、世の中に戦争はないが波風はある。これに立ち向かうためには、『呉越同舟』の精神を踏襲する必要がある」と述べ、犬猿の仲であった呉と越の人間がひとつの舟で共に荒波を乗り越えた故事になぞらえて、日中の協力の重要性を強調しました。
また、国交正常化の際に外務省の中国課で勤務していた小倉和夫氏(東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会評議会事務総長)は乾杯の音頭に先立ち、「日中関係の『正常化』はすぐに実現するものではなく、長い時間をかけて達成するプロセスであり、本当の正常化のために皆様と手を携えて協力していきたい」と述べました。
この後、魏建国氏(国際経済交流センター副理事長兼秘書長)や副島利宏氏(元三井物産株式会社副社長)による関係者挨拶が行われ、本フォーラムへの期待と成功に向けた意気込みが示されました。そして最後に、前駐中国大使の宮本雄二氏(宮本アジア研究所代表)が閉会の挨拶を行い、晩餐会は和やかな雰囲気のうちに締めくくられました。
明日から始まる「第8回東京‐北京フォーラム」の議論の詳細は、言論NPOのホームページに随時アップいたします。日中間の民間外交の最前線の議論をぜひご覧ください。
【文責:インターン荒木、加藤】
7月1日、「第8回東京‐北京フォーラム」の開幕を翌日に控え、言論NPO主催の晩餐会がホテル・オークラ東京で開催されました。晩餐会では、野田総理から本フォーラムに寄せられたメッセージが読み上げられたほか、日中双方の参加者を代表して本フォーラムの日本側実行委員長である明石康氏(公益財団法人国際文化会館理事長、元国連事務次長)と、中国側名誉主席である趙啓正氏(全国政治協商会議外事委員会主任)らが挨拶を行い、明日からの本フォーラムの成功を誓って盛会のうちに晩餐会は散会しました。