各回答とその理由
評価できる(22.6%)
会社役員
○石原知事が率いる東京都が所有するより、国が管理した方が、日中関係にとって平穏な管理を行えるから。
○前の所有者に、無用の負担を掛けることを回避するために、国有地とすることは、止むを得ない措置である。タイミングが共産党主席の交代を決める党大会前であったことから、先方に過敏な反応を強いたことは好ましくなかったが、何れにせよ、強い反発を示すだけなので、大差はない。周恩来クラスの視野が広く、視点が高い政治家を除けば、並みの政治家は同様の反応を党大会の後であっても、同様の反応を示したであろう。
○態度を明確にしたこと。地方自治体が購入する筋の問題ではない。
○国有化することにより、国内での所有権問題を配慮することなく、政府が中国との交渉を行うことが出来るようになった。
○東京都が所有し、施設を建設することの方が、より対中リスクが高い。
○日本固有の領土と示すとともに、外人、極右・極左等に所有されて大きな騒動となる危険が回避できる。
○国家主権の問題は極めて重要なことであるが、短命に終わる最近の政権は主張する機会もなく終わっていた。主張は評価するが、唐突過ぎる。石原東京都知事の成果をひったくるような国有化である。関係する周辺国家は当然なこと、相互安全保障を結ぶ国々との根回しが不十分なのは極めてよくない。
○このような島を私有地扱いにしていることがおかしいと思う。従い、これはあくまで、日本国内の所有権が変わったことであり、日本国内の内政問題、内政干渉に当たる。
会社員
○私有地であると、海上保安庁・海上自衛隊の活動と地主の権利・意向の調整が必要になる場合があることが予想され、機動的な措置に支障をきたすおそれがあるため。
○領土問題や土地に関して今までのような対応では心もとない。土地の外国人の所有禁止、借地権のみ適用、領土・領海に関連する土地・島等の国有化に踏み切るべきであると思う。
メディア幹部
○日本が領有権を主張し、有効支配しているが、外国から異論が出ている尖閣諸島を、政府が責任を持って管理するためには、適当な対応である。
○中国の圧力が高まる中で、日本の実効支配を強めることを評価する。しかし、そのタイミングは日本政府として熟慮すべきだった。野田政権には、中国あるいは中国共産党に対する理解が足りないのではないかと思わざるをえない。
メディア
○遅過ぎたが当然の措置である。離島を私有地のままにしておくことは外国政府への売却がありうることを意味し、そのような状態を放置することは許されない。
地方公務員
○問題を複雑化させないため、妥当な対応(もし、中国関連の企業、個人が買ったらどうなる?)。
学者・研究者
○実質的に国境線を明確に管理するためには、国境離島を国家が直接的に所有して所用の権限を行使する必要がある。
NPO・NGO関係者
○拙速の感を免れないが、やむを得ない。
○今の中国の領土拡張傾向は春暁の例にみるが如く、何かの理由で尖閣諸島に軍を派遣し、正当性を主張するようになれば、日本は有効な対抗手段をもたない。先手を打って、日本の領域であることを国有化することで宣言したことは評価できる。今後その態勢をどう維持するかが問われる。
○紛争になりかねない国境の島が民有地であることは、安全保障上からも好ましくない。
各団体関係者
○日本の領土であることを明確にした行為自体を批判する理由はない。日中関係への影響に配慮し、国有化すべきでなかったという考えはあり得ても、今回、政府がそうしなかったとしても、早晩、中国は今回の様な主張、行動に出たであろう。
○「安定かつ平穏な管理」のためには、他に方法はない。
○実効支配を強めるためには当然だと思う。ただ、これだけ相手国が怒るとは正直思わなかった。今日の状況をみると所有者の栗原氏が都でなく賃貸先である国に売却されたことは当然だと思う。私有地だろうが国有地だろうが、日本国に間違いないのだから国は賃貸か、所有か、を大々的に外部に報道する必要もなかった。そうっとやると靖国合祀のように後から問題になるのか。
○中国との外交課題にきちんと対応できる立場にいるのは政府のみである。
自営業
○国が独自の立場で自由に処理・対応できる。
○自国の主義主張ははっきり言うべきだ。
○対外的な紛争案件は国レベルでの調整が必要であると考えたから。ただ、中国内での大衆層の日本の国有化への捉え方とは大きな乖離があったことは明白で、対中的に説明ができていなかった政府の外交政策の稚拙さが露見したと思う。
○国として「領土問題は存在しない」との立場であるなら、当然の対応である。
その他
○国有化しようがしまいが、対立状態の基本は変わらない。東京都が所有するよりベター。
○中国との摩擦を回避し、安定的に島を管理するためには最善の方法と考えるため。但し、購入の時期については評価できない。
評価できない(36.8%)
会社役員
○日中国交正常化の際に、棚上げした懸案であったのだから、少なくとも事前に協議して、(必ずしも決着しなくても)行うべきであった。
○購入のタイミングが最悪。
○直前の胡錦濤氏のASEANでのシグナルを見落とした。小泉政権時の靖国参拝反対の同氏のシグナルを見落とした時にも、その後会見が出来なくなった。パーセプション・ギャップを感じる。
○「日本の領有権は明確」が、いつの間にか「領土問題は日本の領土ということで解決済み」(したがって協議には未来永劫一切応じない)に「変質」しているよう思います。鄧小平の一言で、領土問題の決着を先送りと暗黙の妥協を図ったと考える中国として、日本がここに来て、この妥協を否定してきていると理解した。そのうえに、「国有化」と言えば、火に油を注ぐもの。このような変質を日本が遂げたと考える中国には石原対策とは受け取らず、石原と組んだ茶番劇と映る。
○所謂「TP○」を全く考慮に入れていない拙劣な判断であり決断でした。何故政府がこのような判断と決断を下したのかの説明がなされていない。考え方はともかく何故この時期だったのか?
○火をつけたのは石原都知事だが、それに乗せられた野田総理の外交手腕に失望している。40年前の田中・周会談のように尖閣問題は棚上げ、暗黙のうちに放置すべきもの。
○国有化という意味は、これまで以上に実効支配を強めるという意思表示であり、中国が党大会を終えるまでは波風を立てないとしたことに反し、中国を刺激する結果となったため。
○いずれ国有化するとしても、タイミング、根回し、段取りが悪かったと思う。 成熟国日本ならば、中国政府も自国民に対する立場がある。そうした相手国の受ける打撃も考えた上で、行動をしなくてはいけない。日本は、アフガンなどを含め、平和のためのプラットフォームを提供してきた国のはずだ。
会社員
○国有地しかない中国に「国有化します」というのは、日本人が感じる国有化のニュアンスと全く違うと思う。また、将来の管理費や土地の評価などから考えて、無駄な買い物に思う。
○すでに今回の事態が予想され、また丹羽中国大使からの進言にもあったにも関わらず、実施した理由が不明確である。また進言した大使を更迭するような事態は、さらに状況を悪くするなど、悪化させた要因に大きな責任がある。
○東京都が購入していた方が、実効支配を強めることができたはず。国有化すれば、国対国になってしまうが、地方政府所有であれば、国は、言い逃れがいくらでもできたはず。一方、東京都は、港湾を整備するなら、実効支配を強めることができることができたのではないか。国有地では、これ以上何もできなさそうである。
○中国側との事前の折衝をもっと丁寧にすべきだし、都知事との関係はあくまで国内で解決すべき。
○議論となる地域に一方的な行動では、問題の解決にはつながりません。
○決定に至るプロセスが、対中国対応との整合性含めて、熟慮に富んだものであったとは思えず。
○中国側の政権交代前のタイミング(間)の悪さと、中国側から見た「民間所有・東京都所有・国所有」に関する受け取り方の把握不足。(=自分勝手な拡大解釈)
○国有地にすることで中国が反発することは見えていたし、APEC時の胡錦濤主席からの警告もあったにも関わらず、予定通り実施したこと。
○中華圏の文化を全く考慮していない、また、過去からのノウハウを蓄積している外務省の官僚の意見が全く反映されていないとしか考えられない行動であった。外交問題は、もっと海外経験の豊富な人、外務省の官僚等の意見を取り入れるべき。
○買い取ったあとの対応がよくない。私有地であれば、個人財産なのでいかようにも工事などできてしまう。それをさせないための、保全・保護・保存のために買い取ったといえば、よかったのではないかと思う。現状では火に油を注いだだけだと思う。
○当初は、東京都が買い取る、と知事が表明した。その際、本来は国がすべきことだが、できないからするのだと言って実行し、何億と募金が集まった=民意に則したアクションだった。しかし、都のアクションと国のアクションとでは中国政府としてのリアクションは違っただろうし、日本国民さえも、都に踊らされている国という印象を持っている。 知事の非難や野党の非難、民意に則していないようにみえる行動も、実は国益のための判断なのだという自信があれば、そのような避難にいちいち反応するのではなく、泰然自若な態度でよかった。自信がない判断をして、途中で変更するのはやめてほしい。余計、信頼できない。
メディア
○中国が抗議する口実を与え、国際問題化したから。結果的に領土問題が世界中の知るところとなり、中国に有利に動いている。
○出しゃばりすぎた。
○中国が激怒したことによって、実行支配が弱体化した。
○歴史的経緯(帰属についてではなく、国交回復時の経緯)を踏まえていない。国内向けの判断しかしていない。
国家公務員
○あえて外交問題を引き起こすような措置で、何の利益があって国有地にする必要があったのか理解できない。
地方公務員
○日本政府が尖閣諸島を国有化し、保全・管理を行うとともに、日本固有の領土として、国際的にもその正当性を主張する必要性はある。しかしながら、今回の政府が行った対応は、国有化後の対応も十分に検討されない状況での実行であり、また、中国では10年ぶりの政権交代を控え、さらには81年前に満州事変実がおきた時期にも重なり、時期を逸した、あまりにも軽率な対応であるように思う。東京都知事からの圧力があったにせよ、少なくとも、この時期に強行手段をとれば、中国をさらに刺激し反発が増幅することは、十分予想できたことではないか。日本政府が尖閣諸島への具体的な対応を行うのであれば、中国の政権交代後、新たな政治体制の状況を確認した上で、状況を伺いながら戦略的に行うべきであったと思う。
学者・研究者
○中国の反発を招く結果となったから。
○領土問題は、世界史が教える如く簡単ではない。その難しさを十分考慮していない。
○中国側の強烈な反発を察知できず、政治パフォーマンスと化した結果、日中の経済関係の悪化に波及しつつある。政府は東京都の対応をたしなめるべきだった。
○それが、最善のベストオプションであるという理由付けを、国内的に説明できても、対外的に説明不能だから。
○国有化の目的がよく分からない。地権者の利益になっただけのように思う。
○東京都という一地方自治体の行為を日本政府という国家行為へと転換させた。このことは、中国を国家間紛争という土俵に呼び込むことになった。特に、国家間紛争になれば軍事的オプションを組み込むことが可能となり、それによって中国に有利な作用を及ぼしたから。
○従来から日本の国土であり、現に日本人が所有しているのだから、あえて国有にする必要性がない。
○こと「メンツの国」中国に対しては、日本人の私有地であることは、日本の主権が及ぶと考えて対処すべき。拙速であり、対外知識不足。
NPO・NGO関係者
○国有地にすることは中国との軋轢を生むことを予想すべきであった。領地問題は最も両国の不健全なナショナリズムを引き出す引き金になる。両国のリーダーはこの不健全なナショナリズムを抑えられなくなる可能性が高い。歴史から学ぶ必要がある。
○石原慎太郎に唆されたから。
各団体関係者
○外務省によると尖閣諸島問題は存在しないと強調しているが、中国、台湾が領有を主張している限り存在しないという態度には問題がある。そもそも国有化する前に話し合いのテーブルにつくべきではないか。
○ウラジオストックでの野田・胡錦濤官の話が全く反映されていない。細かな配慮がないと思われる。
学生
○政府が国有化に踏み切るより先に、石原都知事の尖閣購入があった。尖閣に関しては、日中両国政府は棚上げすることで同意していたはずだが、石原都知事の行動により政府が国有化しなければ示しがつかない状況が生まれ、政府は国有化に踏み切った。しかし、別の道もあったのではなかろうか。尖閣国有化は、日中和平を考えれば決して行うべきものではなかった。野田首相はおそらくそれを理解していた旨が各種報道から読み取れるが、それならば都知事の行動を封殺する行動をとるべきであった。
○国益を無視した選択であるから。
自営業
○拙速また時期が悪い。
○我が国の稚拙な外交能力が原因だ。立ち話での外交交渉など論外だ。中国側からの込み入った外交シグナルなど受け止められるはずがないし、その解析能力もありません。残念です。
○①日本人が尖閣諸島で生活を営んでいた事実があり、彼らの住居跡や鰹節を作っていた作業工場の跡などから、その事実が証明できること、②大正時代に、遭難した中華民国の漁民を日本の尖閣諸島の住民が救助したことについて、日本が中華民国から「感謝状」を受け取っており、その証明ができること等に鑑みると、「尖閣諸島は日本の領土」と考えるのが自然です。その後生じた「新たな事情の変化」等の主張とその立証がなされない限り、領土問題は存在しないと考えます。しかしながら、私は、「国有化」というアクションを起こしたタイミングが悪すぎると考えます。震災などの影響から全力で立ち直ろうとしている日本企業の海外戦略にダメージを与えるようなタイミングで国有化を行なったことは失策だと考えます(「今」でなければならないわけではなかった)。長い将来を見据えて我慢すべき時であったように思います。現政権の視野の狭さには失望致します。
○事情や思惑はあったかもしれないが、結果として中国から大きな反発を受けることとなった。しかも反発を受けても日本国の国益に適う方向で少しでも前進しなのなら評価できるが、そのようなことは今のところ見受けられない。むしろ事態が後退したように思えるから。
○尖閣諸島は沖縄が返還されたときに、一緒に返還されたが、アメリカは返還時、将来日中間で領土問題が起きる恐れがあると懸念していた。日本は我が国固有の領土としているが、日中国交回復時にでも周恩来は、領土問題を了解していた訳でなく、日中の歴史認識は、現在に至っても違いが大きい。中国との事前の協議や交流等なく、国有化したことによって、事を大きくし過ぎた。
その他
○野田総理の外交音痴にあきれる。あまりにもタイミングが悪いことと、相手の立場を考えないこと。
○国家は領土・国民(国籍者)・政府の三者で国家である。領土は領有である。土地の所有には公有(公共団体・・・中央府・地方府が所有)、私有(国内勢・外国勢)が大分で外国政府所有(外国公有)も若干在る。土地の国有が領土権・領有権の強化になる訳ではない。今回の尖閣諸島(一部除外)の国有化は反日勢の上陸阻止措置である。日本が中華圏になるのを望む反日陰謀政治家の仕業である。
○役に立たない島を税金で買うのは無駄。孫子の兵法にある「奪ってはいけない土地もある」が分かっていない。
○そもそも国有化するメリットがない。民主党にしたところで、都に所有させないための次善の策だったに過ぎず、すべては所有者と石原慎太郎との間の、おっちょこちょいな策謀に国民が乗りかけたことによる。
○タイミングが悪い。根回しが足りない。野田政権の国有化の目的は日中関係の悪化防止だった。しかし、国有化によって日中関係は想定以上に悪化してしまい、尖閣問題の管理が困難になった。中国側の反応を読み切れていなかった(同様に中国も日本側の対応を読み切れていなかった)。
○国有化はあくまで国内法に基づく所有権移転でしかなく、争うべき領有権とは全く別個の問題である。国有化そのものは、安定・保全のため支障は無いが時期と発表の仕方が評価できない。中国トップの交代期に行ったことは判断の誤りだ。また、粛々と国有化しておればいいものを、政権浮揚を意識したのか、大々的に発表したことも稚拙だと言いたい。
○国有と私有の法的理解に日中には大きな隔たりがある。中国人一般にとっては、国有化は領土権の強化と受け取られておかしくない。国有化するということを見過ごすことは中国にとって日本の領有権の決定的法的手続きの完了を受け取るであろう。猛反発が想定外であるような外交は外交とは言えない。猛反発を前提に先の外交交渉(表裏官民を含む)戦略が描けていたのなら全くありえない行為ではないだろうが、常識的には理解を超えた無思慮な行為であると感じられる。進行中の出来事には一般市民による外交問題の判断が難しい。
○相互に同じレベル認識なら正しいものを正しく評価するが、現中国は同じレベル認識ができない状況の政治、教育、情報の国である。ただ、国有地にしないと、問題として出てこない先送りの知恵しかない状況が続き、いずれは政治対応が必要だが、今の時期ではない。
評価できないが、やむを得ない(27.1%)
会社役員
○東京都が購入しても国(所管官庁)の認可がない限り港や灯台、構造物は作れない。石原知事が騒ぎ立てるが都が購入してもその先の展望は開けない。とは言え、石原知事が騒ぐのも厄介で、今回の対応はやむ無し。
○石原都知事が公的な場で都による買い取りを宣言してしまったから。
○東京都の強行をある意味阻止したつもりが誤解を生んだ。本当はもっと話し合いをすべきだった。中国と日本に横たわる感情問題を分析し対応すべき。日本人の最善が中国人の最善とはならないことが解ったと思う。
○本来、棚上げが適切な選択肢と考えるが、東京都の動きに国が反応してしまった。
○所有者が東京都や意味不明の人より良い。
○都知事の動きを放置した場合、事がエスカレートすることを阻むための措置であったと推測している。
○国有化は致し方ないが、タイミングが悪かったので評価できない。
○無責任な石原都知事、土地所有者に乗せられた感あり。事前に話したから中国が納得するとは全く考えられない。中国という国の本性が予想どおり明らかになったことが救い。平和ボケした日本国民も領土や主権の問題に向き合うことが一層必要になるという問題提起にもなった。
○東京都の対応を含めて、感情的には今回の対応は日本人として納得出来るものはある。一方、お互いの政治的、経済的な環境を冷静に踏まえて、あるべき行動を考えた場合、9月11日と言うタイミングで国有地にした判断は今となっては必ずしも正しくなかったと思わざるを得ない。問題は事前に冷静な判断を持っての対応が現在出来ているかと言う点にある。
会社員
○国有化そのものは次善の策としてやむを得ないが、APECで15分立ち話をした直後でタイミングが悪すぎる。
○タイミングと、国有地にする根拠・理由をもっとアピールすべきであったと思う。
メディア幹部
○いずれやらねばならないが、まずは都に買わせるべきだった。
メディア
○本来、ムキになって反応すべきではなく受け流すぐらいの対応をすべきだった。
○あのまま都の土地になっていれば、石原が好き勝手やって、日中関係はさらに悪化するから。
○都が購入するリスクを避けるためのあくまで内政的な措置であることを中国側に十分に説明するべきだった。前提として前原の「領土問題は存在しない」発言や、中国船の船長拘留など一連の経緯があり、より慎重な対応が求められていたはず。このタイミングでの国有化は国際社会の理解も得にくいのではないか。
地方公務員
○元々、石原知事が言い出したことに対して、領土問題を荒立てないため、現状維持を図るためにやったことだが、事前の、国際社会、特に中国への根回しとマスメディアへの説明が足りなかった。
○中国側も国際社会も、尖閣諸島がもともと日本の私有地であったことについては理解していない。島全体の国有化(nati○nalizati○n)という表現は、中国を含む国際社会においては、日本国内では理解できないような殊更な意味合いを持っていることが原因。我が国の領土について私有地を国有にすることは法的には問題なくとも、情報発信の仕方を誤ったという意味で、評価できない。
○東京都が動き、寄附が一定額集まった段階で、もう止まらない流れであり、いまこそ毅然とした対応が必要。これまで、「外交手法」としては稚拙な「二枚舌・うやむや」をしてきた罰である。北方領土をはじめ、他の領土問題も同様の構造。根室、島根、沖縄など、地方自治体に責任転嫁してきている。
○場当たり的。
国会議員・秘書・党関係者
○東京都が購入し、船だまり等を建設する方が日中関係は悪化したはず。
学者・研究者
○「国有化」は「係争棚上げ」の暗黙の了解に反し、日中関係に緊張をもたらすことは予測でした。石原都知事が島を購入して問題を起こすよりも、国の平穏な管理下に置くという日本の内輪の論理は中国に通じなかった。
○より対中対抗的な行動をとろうとする集団による尖閣諸島購入計画が具体化しつつあり、それを止める必要があったと考える。
○日中間の経済関係に及ぼす影響の分析や国防力の強化を済ませてからでも遅くなかったが、今の政権に国家戦略は期待できず、今回の件は評価できるものではないがやむを得ない。
○数年前ならともかく、事態が紛糾してからでは手遅れ。都のものにして事態を見極めるべきであった。
NPO・NGO関係者
○中国の権力の移行時期に「国有化」したのは、タイミングが極めて悪い。
○今回の結末(あれだけ熱望?していた東京都への売却ではなく、20億円の金額になびいた売主の判断から、30億円で中国に売られなくて良かった)からみて、やむを得ないのかと判断した。
○政府の対応は理解出来るが、中国との間で事前の十分な連絡話し合いが出来ていたのが疑問である。
各団体関係者
○今般の状況をみれば、安全保障・防衛の観点からやむを得ないと思う反面、購入に至る経緯を考えると地権者に対する政府の対応には禍根が残る。今後この一件に限らず、政府は私有地の地権者に対し、誠意ある対応に努め、十分な協力と理解を得た上で購入されることを切に望む。
○石原都知事の都が購入することにより、さらに問題が複雑化することを、国が管理するということで抑えたかったのではないか。この「国有化」ということの意味を事前に中国側に認識させられなかったのではないか。
○軍事・漁業を含めた海域の問題を含め、国際的に公正なる理由が必要だから。
主婦
○東京都が購入するよりはましだと思ったから。
自営業
○波及効果を分析して、手順を踏んだ行動をとるべきであった。
その他
○元来国有化する必要は無かったが石原都知事の余計な行動でやらざるを得なくなったということ。
○日本人の思考ではやむを得ないと思いますが、先方の論理を想定して今日の事態を予見できなかったことは、残念。歴史認識や世界観が欲しかった。
○APECでの「立ち話」直後の決定などやり方にまずかった部分も多いとは思うが、東京都による購入よりはいたずらに中国を刺激しないという意味ではマシだと思う。
○石原都知事の考え通りに東京都の買い取りを放置すれば、混乱はより深刻なものになったに違いないから。
○石原都知事の行動をみれば、やむをえない。
○東京都というクッションを置いたほうが良かったと思うが、もう前へ進むしかなくなったと思う。
どちらともいえない(12.9%)
会社役員
○基本的には正しいと思うが、外交交渉は結果の良し悪しであるから、「今回も民主党政権のこれまでの過ちをまた繰り返してしまった」との感が強い。TPPもそうであったが、事前の協議・根回し、政策の問題解決の対応をせず、ただ政策として押し通していくことでは、政権への信頼感は生まれない。外交交渉の場では相手国から大きな反発を受けることは当たり前であった。
○国有化については、評価するが、中国共産党大会直前に行ったということは、タイミングに対する考慮が足りなかったと考えるため。
会社員
○日本政府の言い分しか入ってこないので判断に苦しみます。
○日本国政府が長期展望・戦略の上に立った判断であれば評価はできるが、その説明もない状況下では判断出来かねます。
○国が領土問題を目立たせてしまった。名目上は石原氏を主導とする都の購入をバックアップする形とし、自衛隊の配備や法整備等の国土確保のための必要な手続きを進めるべきだった。
○石原都知事の挑発をかわすためには、国内的には安定的に管理する仕組みが必要。一方で、野田総理が記者会見で「中国の反応は想定外」と発言していたが、噴飯もの。事前にアンダーグラウンドで反応を探り適切な対応をすべき。事前に都知事に説明に行ったりしていたら出来ない話だが、例えば、一切発表はしないなど方法はあるはず。
メディア
○理解はできるが、問題が複雑すぎて現段階では購入の是非を評価できない
地方公務員
○一地方の東京の好きにさせておくべきで、場当たり対応が、情勢悪化の原因を作っている。
○国は、これまで何も行動を起こそうとはせず、石原知事の動きを見て、対応したようだが、なぜこの時期に購入したのか。時期が悪い。とても計画的とは思えない。しかし、何もしなかった場合は、竹島のように実効支配される恐れがある。そういった意味で、どちらともいえないを選択した。
NPO・NGO関係者
○国有地にした時期が悪かった。中国の感情を逆撫でした。
各団体関係者
○東京都が購入していたら、島への施設整備などさらに中国を硬化させる行動をとることが懸念されたから。
○東京都が購入するよりもよいが、価格が高すぎる。
主婦
○政府が国有地としたのは良いことだと思うけども、東京都が尖閣諸島購入を発表した途端に国有化を決定実行したこと、中国が実力行使に出てから国有化したことなど、その結果このような事態になったわけで・・・あまりにもタイミングが悪すぎると思う。(東京都と政府、尖閣諸島の元の所有者との間にどのようなやりとりがあったのかわからないけども、ちょっと政府のやり方はずるいなと感じた)
自営業
○都が買う方が,①安全保障上の施策が期待できる、②外交上の影響が限定的(だったかもしれない)。そういう意味で、日本政府が国有地にする実益は乏しい状況だった。
その他
○日本の態度をはっきりさせたことは評価できる。しかし、それに中国が反発することは明らかだったので、対応策を持っているべきだった。
○国有化の直接のきっかけは、東京都知事の動き。彼が、「買う」とか、そのための実地調査を敢行しなければ政府も国有化を今急いで行わなかったはず。政府としては都知事の動きに対応してあの時、ああするしか選択肢がなかったのではないか、と思うので、評価するかどうかは別としてやむを得なかった動きだと思う。
○領土は降って湧いた様に存在するものでなく、民族・地域のせめぎ合いの結果による。即ち、不断の努力(実効支配等)の結果が領土である。東京都による購入表明後の波風に対して政府(野田政権)は、「東京都ではなく、国家が責任を持って管理すること」を中国に示した上で「国有化」なりを進めるべきであった。その様な努力なしの「国有地」発信は、「領土問題はないと言うトラウマ=思考停止」でしかない。正当であるから正当では、中国の論理に乗ってしまったとも言える。不断の努力が必要であることを顕にした。
○細かい事実を把握してないのでコメントできかねる。