【メディア対話】 企画・運営会議 報告

2009年10月09日

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 10月8日、11月1日から3日にかけて開催される「第5回 北京−東京フォーラム in大連」の分科会「メディア対話」に参加するメディア関係者による事前打ち合わせが行なわれ、8月に公表された第5回日中共同世論調査の結果をどうとらえるかなどについて、協議が行われました。

 会議には、会田弘継氏(共同通信社編集委員・論説委員)、飯田政之氏(読売新聞東京本社文化部長)、木村伊量氏(朝日新聞社ゼネラルマネジャー・東京本社編集局長)、山田孝男氏(毎日新聞社政治部専門編集委員)の4氏と、言論NPO代表の工藤泰志が参加しました。


091008_kudo.jpg まず工藤から世論調査の結果について説明がありました。工藤は、「5年間の世論調査によって、両国民の意識で変わったことと変わらないものがはっきりしてきた」と述べたうえで、「この5年で日中政府間関係は改善し、最悪の時期から見れば対中・対日イメージは改善したが、その後は踊り場に入ったというか、改善が進んでいない。むしろ、中国国民は依然として過去の日本を見て現在の対日観を形成し、日本国民は今の中国の経済的な台頭や影響力の増強に不安を感じている。日中の国民レベルで直接交流が乏しい中で、メディアの報道によってこうした課題を解決できるのだろうか」と問題提起しました。

 これをうけて、参加者間で議論が交わされました。


091008_kimura.jpg 木村氏は、「日本へのステレオタイプ的な見方が世代を越えて固定化・古層化していることの意味合いは重い。それが解決されない限り、一時的に対中・対日観が改善してもすぐに揺り戻しが起きるだろう」と述べました。

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 会田氏からは、「世論調査を材料に両国関係を相対化し、客観的に見直すことが必要ではないか。ネガティブな面だけでなくポジティブな側面を探し出し、それを伸ばしていくための議論もできるのではないか」との見方が示されました。


 また、5年間にわたる調査結果の蓄積の意義や、日中の直接交流・文化交流促進の重要性、「メディア対話」の構成や議論の進め方についても意見がかわされました。


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 山田氏は「過去4回にわたってこの対話に参加したが、これまではテーマが多すぎて議論が拡散してしまいがちだった。今回は具体的なテーマを設定して、より率直な意見交換をしたい」と述べました。


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 飯田氏は「日中間では経済交流とともに文化交流も進んでおり、これらによって相互理解が進めば、お互いのイメージの固定化を変えていくことにつながるのではないか。文化的な面からも発言をしたい」と語りました。


 木村氏は、「第5回目のフォーラムは、全10回のフォーラムの折り返し地点であると同時に、日中両国の経済が大きく変わっていく局面にあるという意味で、注目すべき対話になると思う。新しい局面に入った両国をメディアの立場からじっくりと議論し、お互いにフィードバックしていきたい」とまとめました。


 最後に工藤が「5年間調査を続けてきたことで、様々な課題が見えてきた。変化しているものと固定化しているものをきちんとして整理して、第5回大会をきっかけに日中両国が新しく動き出すための議論をしたいと思う」と述べて、座談会を締めくくりました。


 今後は1カ月後のフォーラム開催に向けて、分科会の議論設計など最終的な準備が進められます。それらの詳細については、言論NPOのホームページや、「北京‐東京フォーラム」公式サイト上で公開していく予定です。


文責:インターン 石田由莉香(東京大学)

 10月8日、11月1日から3日にかけて開催される「第5回 北京−東京フォーラム in大連」の分科会「メディア対話」に参加するメディア関係者による事前打ち合わせが行なわれ、8月に公表された第5回日中共同世論調査の結果をどうとらえるかなどについて、協議が行われました。