「第11回 東京-北京フォーラム」昼食講演会 報告

2015年10月24日

 10月24日、25日の2日間にわたって「第11回 東京-北京フォーラム」が中国・北京市の中国大飯店で開催されています。24日の昼食講演会では、本フォーラム日本側実行委員長の明石康氏がホスト役となり、かつて国連で一緒に働いたことのある全国人民代表大会外事委員会主任院の傅榮氏を迎えて開催されました。

 冒頭、傅榮氏の紹介に立った明石氏は、かつて、傅榮氏がカンボジアにおける国連PKO時に自身の部下であったこと、また、当時の傅榮氏の様子を紹介しつつ、現在では全人代におけるスポークスマンであると同時に、中国で最も知られる女性であると紹介しました。

 講演に立った傅榮氏は冒頭、カンボジアでのPKOに参加した際、明石氏とともにポルポト派の説得にあたるなど、和平に向けて尽力した同時を振り返りつつ、先日カンボジアを訪れ、「今日のカンボジアの発展ぶりをこの前、自分の目で確認し感慨深いものがある。平和がどれだけその国に恵みをもたらすことができるのかこの目で確認した」と、当時の様子、そして現在のカンボジアの姿について語りました。

 続いて、傅榮氏は日中関係について、自身が外交部員になった時のことに言及し、当時は、中日間の友好ムードが濃厚だったが、現在の中日関係が複雑な状況になっているのは歴史的ないきさつと、リアリズムの要素でできていると指摘しました。その上で、「行き詰まりの状況を打破するには、相互理解、マインドを考える必要がある」とし、その責任は日中双方にある、と指摘ました。そして、「自分の視点から物事を見たり、意見を述べたりするのではなく」、「中日の間にはお互いに相手のいうことを聞くべきだ」と提案しました。
さらに、傅榮氏は、中国が東アジア地域での協力の信念を強固なものにしたいと考えており、マイナスな要素に影響されてはいけないし、その方向性を見失ってはいけないと語り、「中日関係にしても、一にも早く胸襟を開いて対話をし、寛容性をもって協力する軌道に戻ることを切に望んでやまない」と締めくくりました。

 その後、参加者と活発で、本音ベースの意見交換を行い、昼食講演会は終了しました。