言論NPO代表の工藤泰志は2月28日から中国・北京を訪問し、今年東京で開催予定の「第12回東京-北京フォーラム」に向けて、中国側主催団体である中国国際出版集団の周明偉総裁らと協議を行ないました。
今年のフォーラムは、中国国際出版集団をパートナーとして迎えてから初めての東京開催となります。今回は、そのフォーラムに向けた第1回目の日中主催者間の協議となりました。
フォーラムの成功に向け、主催者間で密なコミュニケーションを
冒頭に工藤は、昨年は新しい10年の最初のフォーラムとなったが、中国側の取り組みでフォーラムは成功裏に終わり、その内容は日中両国だけではなく、多くの国でも報道されている、と高く評価すると同時に、これを今年は、「日中関係、さらにはアジアや世界の課題について話し合う重要なプラットフォームとして発展させたい」、と語り、そのためにも、「事務局も含めた主催者間でコミュニケーションをより密にしていく必要がある」と語りました。これに対しては周明偉総裁も強く同意し、双方が日中関係の大局に立って物事を考えれば、自ずと些細な意見の食い違いは解消されると応じました。
また、フォーラムの準備のために、日本側実行委員会が4月に訪中し事前協議を行うこと、さらには周明偉総裁の訪日についても話し合われました。
最後に、両者はフォーラムの開催日程など具体的な点についても意見交換を行い、和やかな雰囲気の中で協議は終了しました。
また、この日は、第1回フォーラムから強力な支援をいただいている陳昊蘇氏(元中国人民対外友好協会会長)と面会し、議論すべきテーマについての意見交換を行いました。
日中関係の更なる改善に向け、フォーラムへの期待は高まっている
翌3月1日、中国最大のメディアの1つである新華社通信の蔡名照社長を始め、中国の要人や関係団体を訪問し、今秋東京で開催予定の「第12回 東京-北京フォーラム」への協力を訴えました。
まず、蔡名照氏を表敬訪問した工藤は、前日の中国国際出版集団との協議に触れた上で、「日本も中国も、『日中両国やアジアのためにこの対話を成功させたい』という志や想いは一致しており、今回は非常にいい友好的な協議ができた」と語り、今年のフォーラムに向けていいスタートが切れたことを報告しました。
その上で、工藤は、今年5月にG7が日本で、9月にG20が中国・杭州で開催されると述べた上で、「日中関係の信頼回復ということは前提だが、日本と中国がよりアジアや世界に視野を広げ、世界の課題解決に向けたリーダーシップを発揮する局面にきている。今回のフォーラムは、そうした役割を担うような対話にしたい」と意気込みを語りました。
これに対して蔡名照氏は、「この対話は、中日両国の努力によって10年の積み重ねを経て、様々なことを成し遂げてきた。昨年から始まった次の10年の継続も決まっており、この対話は、日中関係を考える上での土台となっている。今後も、中日両国関係の改善に向けて対話を継続していくことを望んでいる」と、今後の日中関係の更なる改善に向けて、「東京-北京フォーラム」へ大きな期待を寄せました。
その後、今年の「第12回 東京-北京フォーラム」に関する意見交換を行い、会談は終了しました。
対話の更なるレベルアップに向け、関係団体とも積極的に意見交換を実施
続いて工藤は、これまでのフォーラムにもパネリストとして参加している張沱生氏(中国国際問題戦略研究基金会学術委員会主任)と会談し、今年の安全保障対話に関する意見交換を行い、今後、パネリストして若手の専門家や研究者などを新しく追加すべきなどの意見が出されるなど、活発な意見交換がなされました。
さらに、今回初めての訪問となる国際金融論壇(IFF)秘書長の張継中氏と会談した工藤は、「東京-北京フォーラム」のこれまでの取り組みや成果を、今年開催の「東京-北京フォーラム」の意義と取り組みを説明し、経済対話の内容やパネリストの更ならレベルアップのために協力を求め、今後、共に協力していくことで合意しました。
その後、在中国の日本メディアの方々との懇談会を行うなど、中国で精力的に意見交換を行いました。
工藤は翌2日もフォーラムの関係者や協力者と意見交換を行い、北京での全日程を終え、帰国の途につきました。
今秋開催の「第12回 東京-北京フォーラム」は、今回の中国訪問を皮切りに準備が本格化し、4月には日中の主催者間で事前協議を行う予定です。今後の進捗についてはウェブサイトにて公開していきますので是非ご覧ください。