第3回実行委員会に続き、日中両国の関係者が参加し懇親会が開催されました。
懇親会の冒頭、フォーラム運営委員長の工藤泰志(言論NPO代表)が挨拶に立ち、「中国国際出版集団という新しいパートナーになって2年目になる。中国側が訪日し、日本側の実行委員会に参加して協議をしたのは今回が初めだったが、非常にいい意見交換ができた」と述べた上で、「懇親会で中国の人たちとさらなる信頼関係を築き、9月末のフォーラムの成功につなげたい」と語り、懇親会はスタートしました。
続いて、フォーラムの実行委員長である明石康氏(国際文化会館理事長)が開会のあいさつとして登壇し、今回来日した中国の訪日団に対し、感謝の言葉を述べました。そして、昨年のフォーラムの経験、さらには自身が国連の平和維持活動に携わった経験を踏まえながら、今回のフォーラム成功に向けて重要なこととして「相手側からのシグナルを誤解せず、良い結果を出すためにコミュニケーションを行い、より改善していくことが重要だ」と語りました。さらに明石氏は、日中両国が隣国の文化からどれだけのものを享受してきたのかを再度認識をする必要があると指摘し、「私たちの先祖が何千年にもわたって行ってきた道を再び歩み、私たちにとって共通理解と相互協力を達成することは難しいことではないはずだ」と述べ、9月末の「第12回 東京-北京フォーラム」の成功に向けて全力を尽くすことを表明しました。
中国側の訪日団を代表してあいさつに立った周明偉氏(中国国際出版集団総裁)は、今回の会議に参加し、直接、日本側の意見を知る貴重な機会となり、日本側に対する信頼が上がり、非常に重要な経験になったと語りました。その上で、「中日両国の人々は、歴史的にも互いに尊重することを学んできた。私たちはお互いに、今の日本、今の中国を学び、尊重すること、それが最も必要ではないか。その過程で、利益、理解、文化などの齟齬、紛争が起こりそうになっても、ポジティブな側面を拡張するための役割を果たしていくことで、ネガティブな側面を減少させていく、それが我々のフォーラムのミッションであり、責任だと考えている」とし、日本側の努力に敬意を表するとともに、9月末の「東京-北京フォーラム」の成功に、全力で臨む決意を示しました。
その後、言論NPOのアドバイザリーボードの小倉和夫氏(国際交流基金顧問)が乾杯の音頭に立ちました。小倉氏は、「日中関係は日中両国のためだけにあるのではなく、世界のためにある」と指摘し、日中両国の課題のみならず、世界的な課題について議論すること、とりわけアジアの課題について議論することが重要だと語りました。その上で小倉氏は、「友好な日中関係を築き、維持していくことが目的ではなく、その先に何をするのか、ということが一番重要だ。その先を見据えた上で、日中両国が協力し、今回のフォーラムが大きな役割を果たすような対話にしていきたい」と語り、乾杯の発声を行いました。
その後、挨拶に立ったフォーラムの実行委員で、元外務大臣の松本剛明氏は、自身が外務大臣を務めた経験に触れながら、「政府間の議論のテーブルは国際政治などに左右されるのが現状だが、政府間の議論のテーブルが機能していない時にも継続されてきた『東京-北京フォーラム』という財産を日中双方が生かしていくことが重要である。この財産であるフォーラムをこれからも育み続けていくために、自身も微力ながら努力したい」と語りました。
続いてあいさつに立った言論NPOのアドバイザリーボードである長谷川閑史氏(武田薬品工業株式会社取締役会長)は、「日中関係は二国間だけの問題ではない」と小倉氏の意見に同調した上で、「世界第2、3位の経済大国が協力し、世界のためにどう貢献していくか」が重要だと指摘し、世界のためにも日中両国が困難を乗り越えて協力していくことが大事だと語りました。そして、日中両国がお互いに切磋琢磨して強くなり、今回のフォーラムで世界に向けたメッセージを出すことで、世界のために貢献していくことが重要だと語り、今回のフォーラムの成功に向け、自身も協力していくことを表明しました。
その後、来賓として招かれた、外務省アジア大洋州局中国・モンゴル第一課長の有馬裕氏、中国駐日本国大使館公使参事官の薛剣氏があいさつに立ち、お二人ともこのフォーラムが11年間継続して開催されていることに敬意を表するとともに、今年のフォーラムの成功のため、外務省、駐日中国大使館も全面的にバックアップしていくことを約束しました。
最後のあいさつに立ったフォーラムの副実行委員長の宮本雄二氏(宮本アジア研究所代表)は、まず、外務省、中国大使館の全面的な協力に謝意を示しました。その上で、「このフォーラムには日中関係を良くしたい、世界に貢献したいと考えている人が集っている。だからこそ、ここに集まる人たちの中でしっかりとした議論ができれば、日中関係は今後も大丈夫だ」と語り、9月末のフォーラムに向けて、3カ月足らずの期間、日本側の実行委員、並びに事務局が全力で準備に取り組んでいくことを誓い、懇親会を締めくくりました。