日韓関係を語る上で重要なことは、過去と将来の両面から議論すること
藤崎一郎
(上智大学国際関係研究所 代表、前駐米国大使)
今回の日韓未来対話を振り返って、一言でいえば、非常に良い会議で、すごく凝縮した一日になったと思います。
韓国側の人も、日本側の人も、あまり固定観念にとらわれずに、日本と韓国が一体どうあるべきか、ということを率直に話し合えたと思います。公開セッションも非公開セッションもありましたが、両方ともその精神は同じだったように思います。
また、聴衆の方も、非常に熱心に聞いていただいて、質問なども寄せていただきました。私は率直に言って、日韓関係は明るいなと感じましたし、こういう会議を続けていくことが大事だと思います。なぜか、それは、歴史の問題は大事なのですが、それだけ話をしていてもダメなのです。しかし、将来の話だけをしてもダメ。両方を話しながら、どういうバランスで物事を議論していくか、ということを両国の人たちが発言していました。そのベースには世論調査があって、その調査結果を使いながら議論をしていくということで、非常に効果的だったと思います。
今後の日韓未来対話について一言いえば、今の方針を原型としながらも、若い人たちを議論に加えながらやっていけばいいのではないかと思います。場合によっては、若い人だけのセッションを持ってもいいかもしれません。それから、ソウルに連れてこなくても、例えば、企業や大使館、メディアの若い人、ソウルの学生や若い社会人の人たちのセッションが1つあってもいいかもしれません。それから、今日のような専門家たちのセッション、そして最後に合同で交換するということが1つの考え方ではないでしょうか。
大変良い会議だったと思います。どうもありがとうございました。