日本人と中国人の認識に対照的な傾向が浮き彫りとなっている~「第4回日中共同世論調査」結果~

2008年10月11日

 言論NPOと中国日報社が2009年8月26日に公表した「第4回日中共同世論調査結果」では、日本人と中国人の認識に対照的な傾向が浮き彫りとなっていることが明らかになりました。 

 今回の調査では、日中両国民の相手国への認識について、対照的な結果が明らかになりました。この1年間で日中首脳会談の再開など、政府間の関係改善が定着する中で、「両国関係をどう見るか」という設問では、「悪い」と回答した日本人は5割弱であるのに対し、「良い」と回答する中国人は5割強で、昨年から大幅に増えました。また、「日中関係が今後良くなっていく」と答えた中国人が8割を超え、日本人では「変わらない」との回答が、「良くなっていく」との回答を上回りました。

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 こうした対照的な傾向の背景には、中国は政治の動きを軸に対日イメージを作っていますが、日本人は生活の視点から中国のイメージを作り始めているということがあります。「日中関係の発展を妨げる問題」に対する両国民の回答結果で、46.2%と5割近い日本人が「中国産品の安全性の問題」を挙げており、「食の安全」に対する不安が日本人に大きいことがわかりました。

 一方で、両国民間の直接交流はほとんど進まず、両国民が認識のほとんどを自国のメディア報道に依存している構造はこの1年間変わっていません。その結果、中国人の46.4%が日本の支配的な思想を「軍国主義」と見るなど、相互認識のギャップは今なお根強く残っています。日中関係は政府間レベルで改善が定着していますが、国民レベルではまだまだ課題が大きいことが浮き彫りになっています。

この調査は、言論NPOと中国日報社が毎年共同で実施しているもので、今年は6月から7月にかけて実施しました。

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