「第13回東京-北京フォーラム」第1回実行委員会 報告

2017年1月25日

IMG_1355.jpg

 1月24日、「第13回 東京―北京フォーラム」実行委員会の第1回会議が、言論NPO八丁堀オフィスにて開催され、実行委員長の明石康氏(国際文化会館理事長)や副実行委員長の宮本雄二氏(元駐中国大使)など20名以上が参加し、今年開催のフォーラムの準備が動き出しました。

150421_akashi.jpg 会議の冒頭で明石氏は、前回のフォーラム以降、日本、世界、アジアが変動の時期にあることに触れ、今後の世界情勢は予測不可能ではあるものの、非常に重要な会議になることは間違いない、と今回のフォーラムの意義を強調しました。

IMG_1348.jpg 次に、運営委員長を務める言論NPO代表の工藤泰志から、1月7日から10日間の訪米について報告がなされました。その中で工藤は、アメリカにおいても我々がこれまで行って来た中国での世論調査が高く評価されていることに触れた上で、トランプ大統領就任後の米中関係、アジア情勢について意見交換を行ったことなどを報告しました。さらに、今年は日中国交正常化45周年にあたること、中国で共産党大会が控えている中で開催される今回のフォーラムの重要性について語りました。

IMG_1360.jpg その後、日本側実行委員会体制の強化、中国側主催者をはじめ、指導委員会や実行委員会などと交流を深める努力をし、各分科会の枠組を構築していく必要があるとの見解を示しました。また、現段階における今後のスケジュールについて共有をし、委員の協力を要請しました。

 その後の意見交換では、今年の不安要素はトランプ政権の存在とその行方、また欧州での選挙など、国際情勢が日中関係に与える影響について危惧する意見が相次ぎました。一方で、トランプ政権はまだ5日だが、「東京-北京フォーラム」は13年の歴史があり自信を持つべき、という前向きな意見も出されました。

 また、世論調査に関し、トランプ政権によって中国の対米感情がどうなるか世論調査が楽しみといった意見や、アメリカ大統領選以後、世論調査の信用が落ちてきている問題にどう対処するかについても議論が行われました。


IMG_1425.jpg さらに、各分科会についての議論も行われました。経済分科会では、トランプ政権が貿易や為替に圧力をかけてくることが想定される中、日中が協力して対処する方向で建設的な議論が可能ではないか、といった意見などが出されました。また、メディア分科会では、アメリカや日本でSNSによるフェイクニュースが氾濫している言論状況を中国側が指摘してくるのではないか、メディアの編集者などを交えた建設的な議論を今回も継続したいという意見も出されました。IMG_1398.jpgその他にも、未来志向の対話を行うために教育の問題を取り上げて欲しいという意見や、社会保障や気候変動など日中が協力できるような共通の課題が重要だという意見、日中間の対話に若者を巻き込んでいくべきとの意見などが出されるなど、活発な意見交換が行われました。

151111_miyamoto.jpg 最後に、閉会の挨拶に立った宮本氏は、今年で3回目を迎える中国側主催団体である中国国際出版集団との関係強化の重要性を述べると同時に、世の中の動きに左右されず、我々として今年やらないといけないものをテーマとして定めて進めていく決意を語り、会議を締めくくりました。

 今年のフォーラムは、9月~10月に中国・北京で開催予定であり、今後、中国側とも協議を行い、準備を進めていきます。フォーラムの今後の進捗状況については言論NPOのHPで随時お知らせしていきますので、ぜひご覧ください。