8月25 日、言論NPO八丁堀オフィスの会議室において、「第13回 東京-北京フォーラム」実行委員会の第3回会議が開催され、20名を超える実行委員が出席しました。
会議の冒頭で、明石康・実行委員長(国際文化会館理事長)は、「フォーラムの具体的な日程はまだ確定していないが、12月の上中旬に開催することは確かなのだから、先の話だと考えずに気を引き締めて準備にあたってほしい」と居並ぶ実行委員に発破をかけました。
続いて、運営委員長の工藤泰志(言論NPO代表)はまず、今回のフォーラムが日中国交正常化45周年という節目の年に行われること、さらに北朝鮮の核・ミサイル開発によって北東アジアの平和秩序が不安定化しているという情勢を踏まえ、「日中でどのような新しい秩序を北東アジアに作るか、など明確な問題意識を持って議論し、成果を出したい」と意気込みを語りました。また、4月の「日中実行委員会事前協議」で合意に至った事項のうち、「最終日に日中間の合意事項として『コンセンサス』を発表する」という点について、1972年の日中共同声明をはじめとして、これまで、日中両国政府の間で交わされた4つの政治文書に続く、「第5の政治文書」が出されることを想定しながら、それを先取りするように民間から問題提起していくことへの意欲を見せました。
その上で、第2回会議以降の進捗についての報告に入りました。そこでは、7月に日本側実行委員会から提案した「基本計画」に沿って、分科会の議論構成の検討が進んでいることや、2015年以降、両国間で構想が練られ続けてきた「日中常設安全保障対話」が、9月10日にいよいよ第1回会合を開催する運びとなったことなどについての報告がなされました。
宮本雄二・副実行委員長(宮本アジア研究所代表)は、中国国内の政治情勢について言及。今秋に開催が予定される「中国共産党第19回全国代表大会(党大会)」を間近に控え、習近平総書記を中心とした権力闘争の最中にあるため緊張感があるとしつつ、「その中でも国務院新聞弁公室は比較的落ち着いている。また、全体的にも党大会が終われば落ち着いていくだろう」との見通しを示し、日本側は自らの準備を着々と進めていくべきだと述べました。
その後、出席者による意見交換が行われました。各委員からは各分科会の議論構成や運営のあり方、日中関係の現状分析や中国の安全保障政策の動向、経済の課題、言論空間の状況など、様々な分野に関して幅広い意見が寄せられました。
そして最後に工藤は、今回の議論を踏まえて準備を進めていくとした上で、「10月頃、改めて実行委員の皆様と意見交換をした上で最後の準備を詰めていきたい」と語り、第3回実行委員会を締めくくりました。
フォーラムの進捗状況については、言論NPOのウェブサイトで随時お知らせしていきますので、ぜひご覧ください。