鮮明になってきた現状の日中関係に対する意識の改善~「第13回日中共同世論調査」結果~

2017年12月12日

 言論NPOと中国国際出版集団が2017年12月14日に公表した「第13回日中共同世論調査結果」では、現状の日中関係に対して、日中両国民間で悲観的な見方が大きく減少し、改善傾向が顕著になっています。

 現在の日中関係を「悪い」と判断している日本人は昨年から大きく減少して44.9%となり、7年ぶりに50%の水準を切りました。一方、中国人では依然として64.2%が「悪い」と判断していますが、昨年からは14ポイント減少しています。日本側の改善要因としては、首脳会談や外相会談など日中政府間交流が増加したこと、核開発に伴って北朝鮮に対する軍事的な脅威感が高まり、中国の脅威感が相対的に薄まったことなどが挙げられます。

【現在の日中関係】

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 相手国に対する印象では、中国人の日本に対する印象は大きく改善し、日本に対して「良くない」という印象を持っている人は昨年から76.1%から66.8%へと10ポイント改善し、5年前の尖閣諸島の対立前の水準まで改善しています。日本に対して「良い」印象を持っている中国人も3割を超え、2012年の調査時点の水準に回復しています。
 中国側の改善の要因としては、日本への渡航経験の有無と情報源の多様化が影響しています。中国人で日本に渡航経験がある人は2013年から上昇を続け、今年の調査では15.7%になりました。日本に渡航経験がある層だけに絞ると、日本に「良い」印象を持つ人は59.8%と6割近くになり、渡航経験のない人の26.2%を大きく上回っています。
 また、中国の20歳代未満で日本に対して「良い」印象を持つ人は61.9%と6割を超え、20代でも40.6%と高くなっています。その理由として、若い年代ほど携帯機器(携帯電話、スマートフォン等)を通じたニュースアプリと情報サイトから、日本や日中関係の情報を得る人が増えていることが調査から明らかになっています。

【相手国に対する印象】

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 日中関係を「重要」だと考える両国民は、日中両国で7割存在しています。ただ、重要だと考える理由は、両国で一般的ものにとどまっています。また、両国民の半数が、日中は将来、平和的な共存共栄関係となることを期待しているが実現するかわからない、と答えており、日中両国は重要な関係だとしているものの、なぜ重要なのか、どういう関係を目指すべきか、まだお互いが見えない関係にあるといえます。

 この調査は、言論NPOと中国の国際出版集団が毎年共同で実施しているもので、今年は10月中旬から11月上旬にかけて実施しました。



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