「第13回東京―北京フォーラム」(12月16、17日・言論NPO、中国国際出版集団主催、日本外務省後援)開催前日の15日、同フォーラム指導委員会最高顧問の福田康夫・元首相、委員長の明石康・元国連事務次長、副委員長の宮本雄二・宮本アジア研究所代表、同じく副委員長の山口廣秀・日興リサーチセンター株式会社理事長、執行委員長・日本側主催者代表の工藤泰志・言論NPO代表という執行部5名に、横井裕・駐日本国特命全権大使、赤羽一嘉・衆院議員、中谷元・衆院議員、藤田幸久・参院議員の4名が加わった合計9名からなる日本側代表団が、中南海に黄坤明・中国共産党中央宣伝部部長を表敬訪問しました。
日本側が翌日からのフォーラムへの協力・支援に対する感謝を表明すると、黄坤明氏は、本フォーラムについて、「13年間、様々な分野の有識者が参加して難しい問題をディスカッションし、ポジティブな努力を積み重ねることによって、共通の認識を生み出してきた。また、メディアを通じて世論の改善に大きな貢献をしてきた」とその果たしてきた役割を高く評価。それと同時に、今年が国交回復45周年であることを踏まえつつ、過去の歴史問題について率直な言及をしながらも、明日からの対話が日中の未来の協力関係を切り開くようなものになることへの強い期待を寄せました。これに対しては、福田氏が「明日は必ず前向きな議論ができると思う。期待してほしい」と応じ、表敬訪問を締めくくりました。
その後、会場となる北京市内のJWマリオットホテル北京では、訪中した日本と中国側双方のパネリストが集まって共同の打ち合わせ会議を行いました。ここでは、5つの分科会に分かれて、明日からのパネルディスカッションの進行に向けて協議。それぞれのテーマについて双方が率直に意見を出し合いました。
例えば、安全保障分科会では、"常連"のメンバーが集結し、しかも9月に第1回日中安全保障対話で顔を合わせていたばかりということもあり、和やかな雰囲気の中、明日の議論構成についての最終確認が行われました。
一方、「不安定化する世界秩序に問われる日中の戦略的協力と相互信頼」をテーマとする政治・外交分科会では、日本側から「日本で関心の高い北朝鮮問題を話し合いたい」との提案が出されると、中国側からは「中国も党大会を終え、こちらの対日政策を説明する必要がある。一方、トランプ大統領の対日政策の日本への影響を知りたいので中日関係に絞って話をしよう」との提案が出されたり、さらに、「北朝鮮問題では、中国と北朝鮮、日本と北朝鮮ではそれぞれ関係が異なる。日本は多くの軍事的措置を用意しているようだが、中国は今のところ軍事的なものは打ち出していない。平和的解決が中国の理念であり、それぞれ重点も違う」などの意見が寄せられるなど、テーマ設定をめぐっても白熱した議論が展開されました。
こうした一時間の意見のすり合わせを終え、晩餐会に移りました。