4月25日、今秋東京で開催予定の「第14回東京-北京フォーラム」に向けた第2回実行委員会が開催されました。
今回の会議には、「東京-北京フォーラム」実行委員長の明石康氏(国際文化会館理事長)、副実行委員長の木下雅之氏(三井物産顧問)、宮本雄二氏(宮本アジア研究所代表)、山口廣秀氏(日興リサーチセンター株式会社理事長)の各氏をはじめ、20名を超える委員が出席しました。
冒頭、宮本副実行委員長は、先週、中国側主催者である中国国際出版集団の担当者が訪日し、事務レベル協議がすでに開始されていることに言及。それを踏まえ、「秋に開催される『第14回東京-北京フォーラム』に向けて実行委員会の方でも議論を加速させていきたい」と居並ぶ実行委員たちに語りかけました。
続いて、司会を務めた言論NPO代表の工藤泰志は、その事務レベル協議の内容について報告。まず、今年の「第14回東京-北京フォーラム」が、日中平和友好条約締結40周年という歴史的な節目の年に行われることを踏まえ、全体テーマとして「平和」を前面に打ち出し、条約が有する今日的な意義を問い直すような対話としていくこと、さらにはその対話の成果を東京コンセンサスとしての「平和宣言」に結実させていくことを日本側から提案したと説明。一方、「特別分科会」のテーマについては、逆に中国側から「AI(人工知能)」や「環境」、「人口問題」など様々な提案がなされたと振り返りました。また、日程については10月中旬で調整されていることも併せて報告されました。
その後、実行委員間で意見交換が行われました。ここでは特に各分科会についての議論が展開されました。安全保障分科会に関しては、6月に予定されている米朝首脳会談の出方を見てから議論構成を考えるべきだといった意見が寄せられ、経済分科会や特別分科会では、事務レベル協議で中国側から寄せられた提案の背景に何があるのか、それを読み解くような意見が寄せられました。
また、メディア分科会に関しては、これまでのフォーラムでは「建前の議論」が多かったことを踏まえ、いかにして「本音の議論」を担保していくかについての提案が寄せられました。
これを受けて工藤は、そもそも本フォーラムが「日中が本音で話し合うための対話」として始まったと振り返り、「そうした本音の議論を実現するため、どのような工夫が必要か、中国側とも協議していく」と語り、宮本副実行委員長も習近平体制で言論統制が強まる中では中国側の本音に制約がかかるかもしれないと懸念しつつ、そうした中でも本音をぶつけ合う"攻め"の議論を追求していきたいと語りました。
フォーラムの進捗状況については、言論NPOのウェブサイトで随時お知らせしていきますので、ぜひご覧ください。