7月30日、10月に東京で開催予定の「第14回東京-北京フォーラム」に向けた第3回実行委員会が開催されました。
今回の会議には、「東京-北京フォーラム」実行委員長の明石康氏(国際文化会館理事長)、副実行委員長の木下雅之氏(三井物産顧問)、宮本雄二氏(宮本アジア研究所代表)、山口廣秀氏(日興リサーチセンター株式会社理事長)の各氏をはじめ、20名を超える委員が出席しました。
冒頭、明石康実行委員長は、日中関係が改善する中で、今回の「東京-北京フォーラム」の成功に向けた中国側の意気込みは「本気だった」と7月の事前協議を振り返り、日本側も急ピッチで準備を行っていきたい、として参加者に協力を仰ぎました。
続いて、司会を務めた言論NPO代表の工藤泰志は、7月中旬に中国側と行った事前協議において、今年の「第14回東京-北京フォーラム」が、10月13日~15日の日程で東京で開催することが決定したこと、日中平和友好条約締結40周年という歴史的な節目の年に行われることを踏まえ、5年前の「不戦の誓い」に続く「平和宣言」を発表すること、さらに特別分科会で21世紀の課題である脱炭素とデジタルエコノミーをテーマとして取り上げることなどで合意したことを報告しました。さらに、中国側との協議結果を受けて、パネリストへの打診を開始すると同時に、10月の開催に向けて、開催予定の東京プリンスホテル/ザ・プリンス パークタワー東京とも協議を行い、準備を進めていることを説明しました。
その後、実行委員間で意見交換が行われました。ここではに各分科会についての議論が展開されました。安全保障の面から、米朝間の交渉が中国の外交にとって非常に重要であり、米朝交渉の失敗が中国国内の政治状況に跳ね返ってくる可能性があること、日中間で議論する場合、朝鮮半島の問題について比較的話がしやすいなどの意見が出されました。
また、特別分科会では21世紀の課題である脱炭素やデジタルエコノミーについて議論することに賛意が寄せられる一方、中国で急速に進む監視社会や人権の問題等の議論とも切り離せないテーマであることから、議論の難しさを指摘する声も挙がるなど、活発な意見交換が行われました。
意見交換を受けて工藤は、「相互理解によって信頼醸成を高めていくというこのフォーラムの意義は依然として大きい」としつつも、「今起こっている現象や課題に対して本音で言い合えるフォーラムに進化できるか」ということが問われている、と今回のフォーラムの意義を説明。さらに、「日中両国がこの地域の平和と発展に責任を持つためには、何を考えなければいけないのか」という視点で突っ込んが議論を行い、何らかの話し合いができるのであれば、来年以降の対話に繋げていきたい、と意気込みを語りました。
最後に宮本副実行委員長は、「相手が誰であろうと日本にとって何が一番必要か、どのような中国に持っていけばいいのか、という視点からアジェンダを設定しており、そういう姿勢で今回のフォーラムにも臨みたい」と今回のフォーラムに対する決意を語り、会議を締めくくりました。
フォーラムの進捗状況については、言論NPOのウェブサイトで随時お知らせしていきますので、ぜひご覧ください。