8月22日、「北東アジア平和会議」の第5回準備委員会が都内の言論NPO事務所で開かれ、8月26、27日に開催される「日中安全保障会議」の議題について話し合いました。司会を務めた言論NPO代表の工藤泰志は、「東アジアの平和秩序とその実現に向けた日中の責任とは」のタイトルで行われる26日の討議では、日中双方が目指すべき秩序や今年締結40周年を迎える日中平和友好条約が謳う"厳粛な責任"を日中は果たしているのかなどを議論し、同条約に"新しい命"を入れられるかどうか、が課題になると説明。5年前の「東京-北京フォーラム」で合意した「不戦の誓い」につながる「平和宣言(仮称)」を日中で探ることになります。
また、日中間の海空連絡網は作られましたが、偶発的な海上紛争の統制、解決を図る防衛交流と協力を、どう発展させていくか。さらに、日中米の安全保障における関係発展と台湾海峡の平和と安定の維持をどうするか、ともに中国側の強い要望で話し合われることになり、日本側で意見交換がなされました。さらに、台湾問題については、米中の貿易戦争同様、両国間で綱引きが続いており、日米同盟下の日本にとっても微妙なかじ取りが迫られることになります。
討議二日目は、「北朝鮮の完全な非核化の実現と朝鮮半島の平和プロセス」をテーマに議論することで既に合意しています。このところ膠着状態にある米朝交渉では、二回目の米朝首脳会談が取り沙汰されていますが、北朝鮮の後ろ盾と言われる中国側が、朝鮮半島の和平でどのような見解を示すか、興味が集まります。
本事業の進捗状況については、言論NPOのウェブサイトで随時お知らせしていきますので、ぜひご覧ください。
第5回「北東アジア平和会議(仮称)」準備委員会 出席者
◆座長代理
西正典(元防衛事務次官)
◆執行責任者
工藤泰志(言論NPO代表)
◆委員
小野田治(東芝インフラシステムソリュウーション社顧問、元航空自衛隊教育集団司令官、元空将)
高原明生(東京大学大学院法学政治学研究科教授)