日中の民間の最大規模の対話である「東京-北京フォーラム」の開催まであと一週間となり、議論に参加する日中のパネリスト約90氏が固まりました。
14日午後に行われる特別分科会では、最後まで人選が難航していた、デジタル経済や脱炭素を巡る議論を行う「特別対話」で、中国の音声認識の最大手のアイフライテック、WeChatを提供するネットサービス最大手のテンセント、ファーウェイ、360集団など中国の最先端のIT、インターネット、AI企業等の8氏の参加が固まりました。
また、このデジタル議論が行われる「特別対話」の他でも、「経済対話」や「安全保障対話」や「政治対話」「メディア対話」も5日までに参加者はほぼ固まりました。
陣容は、日中両国の政治家や外交関係者、経済人、人民解放軍などの安全保障関係者やジャーナリストまで広範なもので、しかも約90氏という大規模なものとなります。
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また、5つの分科会の議論のテーマなども7日までに固まりました。
「特別対話」では、「地球規模で進展する脱炭素とデジタル経済に向けた日中協力が」がテーマとなります。ここでは、中国が追い上げ米国と対立するデジタル技術等の分野のこれからの技術やビジネスの展開や、中国の国家主導型のビジネス展開に対する国際的な懸念、さらにはこうした次世代技術に対する日中協力の可能性について議論を行います。こうした次世代情報技術を用いた技術革新や脱炭素を巡った議論を、日中の企業が公開で議論を行うのは極めて珍しいことです。日本側は脱炭素やIT関連の企業や専門家6氏(現時点)が議論に参加します。
また、「経済対話」では、「世界の自由貿易体制に維持と、新しい日中の経済産業協力」をテーマに、深刻化する米中の貿易戦争の行方や自由貿易体制を機能させるためのWTO改革、ルール主導の世界経済に問われる中国の構造改革などが議論となります。
また、「安全保障対話」では、「北東アジアの平和に問われる日中両国の厳粛な責任」をテーマに、北朝鮮の非核化や朝鮮半島の平和構築だけではなく、緊張や不安が続く、南シナ海や台湾など東アジアの日米と中国の間の安全保障面での課題や北東アジアの平和建設にまで話を進める予定です。
さらに、「政治・外交対話」では、「日中平和友好条約の今日的意味と日中関係の未来」をテーマに、今年が日中平和友好条約40周年ということを踏まえ、この条約の今日的な意味を議論し、日中両国がこの地域の平和や発展にどのような責任を負うべきかを、両国の政治家等が本気で話し合います。この議論は、両国の学生や留学生を前に行われます。
このほか、日中のジャーナリスト計22氏が参加する「メディア分科会」では、このフォーラムの直前(10月11日)に公表する、日中の世論調査結果をどのように判断するのか、さらに、デジタル社会への転換の中で進むフェイクニュースや個人情報の管理の問題や、トランプ大統領と米メディアの対立のような権力の横暴とジャーナリズムの立ち位置を考える本質的な議論に挑みます。
フォーラム開催の翌週には、安倍首相の訪中も予定されており、政府間の関係改善が大きく動こうとしています。その直前に東京で行われるこの大規模な対話には日中の閣僚級の参加者も顔を揃える非常に重要なフォーラムとなります。
また、尖閣問題で対立した5年前の「不戦の誓い」に、続く、新しい宣言を提起する予定もあります。
是非とも私たちの継続したチャレンジの舞台に、ご参加いただければ幸いです。
お申し込みはこちらから【申込み締め切り10月11日(木)】
第14回「北京-東京フォーラム」概要
【10月14日(日)全体会議】
テーマ:「アジアと世界の平和と協力発展に問われる日中の役割-日中平和友好条約の今日的な意味を考える」
主催者挨拶 明石 康 国際文化会館理事長、元国連事務次長、「東京-北京フォーラム」実行委員長
方 正輝 国際出版集団副総裁、中国外文局副局長(統括)
政府挨拶 西村 康稔 内閣官房副長官
程 永華 駐日本特命全権大使
特別講演 福田 康夫 元内閣総理大臣、「東京-北京フォーラム」最高顧問
基調講演 徐 麟 中国共産党中央宣伝部副部長、国務院新聞弁公室主任
【パネルディスカッション】
日本側司会 宮本 雄二 宮本アジア研究所代表、元駐中国大使、「東京-北京フォーラム」副実行委員長
パネリスト 川口 順子 武蔵野大学客員教授、武蔵野大学国際総合研究所フェロー、元外務大臣
石破茂(衆議院議員)
山﨑達雄(国際医療福祉大学 特任教授、元財務官)
中国側司会 趙 啓正 中国人民大学新聞学院院長、元国務院新聞弁公室主任、
中国人民政治協商会議第11期全国委員会外事委員会主任
パネリスト 魏 建国 中国国際経済交流センター副理事長、元商務部副部長
劉 洪才 中国人民政治協商会議第13期全国委員会外事委員会副主任、
中国国際交流協会副会長、元中国共産党中央対外連絡部副部長
朱 成虎 中国軍備管理・軍縮協会理事(少将)
【政治・外交分科会】テーマ:「日中平和友好条約の今日的な意味と日中関係の未来」
ここではまず日中平和友好条約自体の今日的意味を考えます。40年前に合意されたこの条文の中で示された「反覇権」「不戦」などが持つ今日的な意味とは何か、この条約自体、今機能しているのか。条文を含む政治4文書が書き込んだ、両国がこの地域の平和と発展に負うべき責任とは何なのか、更には、保護主義や多国間主義の不安定化や北朝鮮の非核化などの世界史的な変化に直面する日中両国の今後の協力の在り方や、日中関係自体の未来をどのように展望するのか、両国の政治家や外交関係者が議論します。
日本側司会 工藤 泰志 言論NPO代表
高原 明生 東京大学公共政策大学院院長
パネリスト 川口 順子 武蔵野大学客員教授、武蔵野大学国際総合研究所フェロー、東京財団政策研究所名誉研究員
玉木 雄一郎 国民民主党代表
増田 寛也 株式会社 野村総合研究所 顧問 、 東京大学公共政策大学院 客員教授
藤田 幸久 参議院外交防衛委員会筆頭理事、 元財務副大臣
加藤 鮎子 衆議院議員
木原 誠二 衆議院議員、元外務副大臣
山口 壯 衆議院議員、元外務副大臣
遠山 清彦 衆議院議員、公明党国際委員長
中国側司会 賈 慶国 中国人民政治協商会議第13期全国委員会常務委員、北京大学国際関係学院院長
パネリスト 劉 洪才 中国国際交流協会副会長、元中国共産党中央対外連絡部副部長、中国人民政治協商会議第13期全国委員会外事委員会副主任委員
曹 衛洲 第12期全国人民代表大会常務委員会委員、外事委員会副主任委員
韓 方明 中国人民政治協商会議第13期全国委員会外事委員会副主任、察哈爾(チャハル)学会会長
楊 伯江 中国社会科学院日本研究所副所長
【経済分科会】テーマ:「世界の自由貿易体制の維持と、新しい日中の経済産業協力」
現在、米中を中心とした貿易戦争が深刻化し、グローバル経済や自由貿易への影響が懸念されています。本分科会では、世界の開放的で自由な貿易体制を維持発展させるためには何が必要なのか。WTO改革や中国自体の構造改革、また為替の動向や金融市場改革等について話し合います。また、世界の自由なルールに基づいた世界経済や多国間主義や、アジアの持続的で安定的な経済発展のために、日中両国はどのような分野でどのように協力するのか、日中両国を代表する経済人・専門家が話し合います。
日本側司会 山口 廣秀 日興リサーチセンター理事長、元日銀副総裁、「東京-北京フォーラム」副実行委員長
パネリスト 大橋 光夫 昭和電工株式会社最高顧問
河合 正弘 東京大学公共政策大学院特任教授
中川 淳司 東京大学社会科学研究所教授
中曽 宏 株式会社大和総研理事長
船岡 昭彦 三井不動産株式会社 常務執行役員
神子田 章博 NHK解説委員室 解説主幹
宮田 孝一 株式会社三井住友フィナンシャルグループ 取締役会長、株式会社三井住友銀行 取締役会長
守村 卓 株式会社三菱UFJ銀行 顧問
中国側司会 魏 建国 中国国際経済交流センター副理事長、元商務部副部長
パネリスト 蔡 華相 中国中信集団有限公司監査長
傳 成玉 中国人民政治協商会議第12期全国委員会常務委員、元中国石油化工集団董事長
張 燕生 国家発展・改革委員会学術委員会研究員、中国国際経済交流センター首席研究員
方 立明 元中国銀行業監督管理委員会副巡視員(中国銀行保険監督管理委員会国際部副主任)
樊 綱 中国経済体制改革研究会副会長、中国(深セン)総合開発研究院院長
李 暁 吉林大学経済学院兼金融研究院院長、中国世界経済学会副会長、中国教育部「長江学者」特任教授
于 偉 高偉達ソフトウェア株式有限公司董事長
陳 有鈞 中国建銀投資有限責任公司総裁補佐
【メディア分科会】 テーマ:「変動するアジアや世界の政治経済で問われるメディアの役割」
前半では、言論NPOが本フォーラムの開催に合わせて14年間継続的に実施している日中共同世論調査の結果を基に、急激に進む両国民の意識の変化や違いをメディアにいる人間はどのように見ているのか。日中間の相互理解や信頼向上に向けた課題は何か、を明らかにします。
後半は、原点に返って、メディアやジャーナリズムの今日的な立ち位置や役割について議論を行います。ここでは権力に対してジャーナリズムの立ち位置をどこに置くべきか、情報技術の進歩を背景にフェイクニュースやアクセスを確保するだけの過激な情報、個人のプライバシーを侵害する情報が氾濫し、デジタル社会への進展の中で個人情報の管理化が進んでいます。こうした大きな変化を両国のジャーナリズムはどう考えているのかも、ここでの論点となります。
日本側司会 小倉 和夫 言論NPOアドバイザリーボードメンバー、 国際交流基金顧問、日本財団パラリンピックサポートセタ理事長
パネリスト 青樹 明子 公益財団法人日中友好会館理事
天児 慧 早稲田大学名誉教授
五十嵐 文 読売新聞論説委員
大野 博人 朝日新聞社編集委員
杉田 弘毅 共同通信社 特別編集委員
萩原 豊 TBSテレビ報道局外信部デスク
古谷 浩一 朝日新聞論説委員
山田 賢一 NHK国際放送局多言語メディア部チーフ・プロデューサー兼NHK放送文化研究所上級研究員
山田 孝男 毎日新聞政治部特別編集委員
加茂 具樹 慶應義塾大学総合政策学部教授
中国側司会 王 暁輝 中国網(チャイナネット)総編集長
パネリスト 趙 啓正 中国人民大学新聞学院院長、中国人民政治協商会議第11期全国委員会外事委員会主任、元国務院新聞弁公室主任
白 岩松 中国人民政治協商会議第13期全国委員会人口資源環境委員会委員、中国中央テレビ局コメンテーター
王 浩 中国日報社副総編集長
常 宇 北京冬季オリンピック組織委員会報道・宣伝部部長
王 衆一 中国人民政治協商会議第13期全国委員会外事委員会委員、人民中国雑誌社総編集長
袁 岳 零点有数デジタル科技集団董事長
金 莹 中国社会科学院日本研究所研究員
劉 軍衛 北京三多堂傳媒株式有限公司共同創業者、ディレクター
蘇 海河 経済日報東京支局支局長
李 淼 香港フェニックステレビ東京支局長
【安全保障分科会】テーマ:「北東アジアの平和に問われる日中両国の厳粛な責任」
現在、日中両国は、米中の対立激化と北東アジアの不安定化、朝鮮半島の非核化と平和構築、台湾問題など、多くの安全保障上の変化に直面しています。国民レベルでも、日中両国の国民は相手国に対して大きな軍事的脅威を感じており、信頼醸成が進んでいません。
本分科会では、北東アジアの安全保障環境の現状と解決すべき課題を明らかにした上で、北東アジアにどのように将来的に平和秩序を構築することが出来るのか、北朝鮮の非核化をどのように実現するのか。平和を実現するためにどのような理念や原則が求められるのか、日中両国は平和にどのような責任を果たすべきか、日中両国の安全保障の関係者と専門家が、北東アジアの現状と未来に向かい合います。
日本側司会 宮本 雄二 宮本アジア研究所代表、元駐中国大使
パネリスト 中谷 元 元防衛大臣、衆議院議員
神保 謙 慶応義塾大学教授
秋山 昌廣 秋山アソシエイツ代表、 安全保障外交政策研究会代表
小野田 治 東芝インフラシステムズ社顧問、元空自航空教育集団司令官(空将)
香田 洋二 ジャパンマリンユナイテッド艦船事業本部顧問、元自衛艦隊司令官(海将)
德地 秀士 上智大学国際関係研究所 客員所員
西 正典 元防衛事務次官
中国側司会 陳 小工 元中国共産党中央外事弁公室副主任、元空軍副司令
パネリスト 朱 成虎 中国軍備管理軍縮協会理事、元国防大学戦略教育研究部主任
姚 雲竹 中国人民解放軍軍事科学院国家ハイエンドシンクタンク学術委員会委員、元中米防務関係研究センター主任
張 沱生 中国国際戦略研究基金会学術委員会主任
呉 寄南 上海市日本学会会長、上海国際問題研究院諮詢委員会副主任
呉 懐中 中国社会科学院日本研究所研究員
【特別分科会】テーマ:「地球規模で進展する脱炭素とデジタル経済に向けた日中協力」
ここでは前半に、デジタル技術、脱炭素技術の進展とそれらを通じて浮かび上がった課題を明らかにします。そのため、次世代デジタル情報技術、脱炭素技術における日中それぞれの技術の進展はどうなっているのか、そこから浮かび上がった課題をどう考えるか、さらに、次世代情報産業に対する国際的懸念や対立、あるいは産業保護政策に対する国際的懸念についてどう対応するかについて、議論します。
後半は、デジタル技術や開発、脱炭素革命の分野での日中協力の現状や課題はどうなっているか、今後さらにどのような協力や共同の取り組みが可能なのかなどについて話し合います。
日本側司会 山﨑 達雄 前財務官
パネリスト 佐々木 伸彦 富士通執行役員副会長、元経済産業審議官
岩本 敏男 株式会社NTTデータ元会長
木下 雅之 NSユナイテッド海運株式会社 取締役、元三井物産株式会社副社長
桑津 浩太郎 株式会社野村総合研究所 研究理事
中塚 一宏 SBIホールディングス株式会社 常務取締役、SBIエナジー株式会社 代表取締役社長、前金融担当大臣
中国側司会 王 恵 元北京市政府スポークスマン・元北京市政府新聞弁公室主任
パネリスト 江 涛 科大訊飛株式有限公司上級副総裁
高 洪 中国人民政治協商会議第13期全国委員会委員、中国社会科学院 日本研究所研究員
徐 喆 VIPKID大米科学技術公司CEO特別補佐
曲 冰 360集団副総裁、「北京時間」株式有限公董事長
龍 兵華 騰訊網(Tencent.com)副総編集長
趙 承 百度公司副総裁
林 啸 華為(ファーウェイ)技術日本株式会社渉外・広報本部本部長
陈 益強 中国科学院計算技術研究所ユビキタスコンピューティングシステム研究センター主任、研究員
※パネリストは変更になる場合がございます。予めご了承ください。