6月21日に開幕した「第7回日韓未来対話」は、午後の非公開会議終了後、日韓両国のパネリストが参加する夕食会が開かれました。
挨拶に立った韓国側の主催者である東アジア研究院理事長の河英善氏は、韓国側のパネリストを代表して、今回の対話の開催に尽力した関係者に謝辞を示しました。その上で、日韓間において短期間の関係克服は大きな課題だ、としつつも、この対話が立ち上がった時は、日韓関係の未来は不透明だと感じていたが、今は、将来は明るいと考えていると指摘。その理由として、日韓間にはこの未来対話があり、老若男女、様々な分野の人たちがこの対話で議論することは、日韓間の議論の先行指標になることを挙げ、「日韓未来対話」への期待を込めました。
続いて日本側主催者を代表して、小倉和夫・国際交流基金顧問が、現状の日韓関係は様々な問題があるが、これまでの日韓関係は1960年代から、50年が経過してかなり改善してきた。だからこそ、長期的な視点で日韓関係を捉えていくことが重要だ、今回の対話に期待を寄せ、乾杯の発声を行いました。
その後、パネリストを代表して、日本側からは衆議院議員の逢沢一郎氏、韓国側から共に民主党の国会議員である盧雄來氏があいさつを行いました。
日韓議員連盟の副会長を務める逢沢氏は、過去、自身が所属していた松下政経塾に、政治家を目指す韓国人の若い留学生が参加していたことに触れ、若い世代や政治を志す人が交流し、過去を学び、未来をつくっていくことは非常に有意義なことだと語りました。その上で、政治的に厳しい日韓関係が続く中で、こうした民間の対話が開かれることは非常に有意義だとし、今回の対話に期待を寄せました。
続く盧雄來氏は、今回の対話は、非常に有意義なものとなり、厳しい日韓関係の中に希望を見出すことができた、と1日目の議論を振り返りました。そして、対話に先駆けて公開した世論調査結果で、若い世代で相手国に対する印象が良かったことに触れ、近い将来は希望を持てる未来志向の関係にしていきたい、と語りました
中締めの挨拶は、言論NPO理事で、近藤文化・外交研究所代表の近藤誠一氏が行いました。近藤氏は、日韓関係において重要な点として、人間は100%分かり合えることはないのであって、辛抱、我慢、忍耐が重要だということ、人間にはどうしても外国人嫌いと、それを乗り越え仲良くしようという両方の気持があるが、大事なのは後者を強めることなどを挙げ、両国の国民が、反日や反韓が叫ばれたとしても、絆の変わらない友達をたくさん増やすしかない、と強調しました。さらに、日韓関係は2国間だけでなく、アジア、世界のためにやることがたくさんある。未来志向、グローバルな視点を持つことが大事であって、そうした思いを持って、明日の会議に臨みたい、と語り、夕食会を締めくくりました。