「第15回 東京-北京フォーラム」の1日目の議論を終えた10月26日夜、日中両国のパネリスト、支援企業などの関係者が参加し、駐日本大使館でのレセプションが始まりました。
始めに、在中国日本国特命全権大使の横井裕氏の挨拶でレセプションはスタートしました。横井氏は冒頭、「日中関係は完全に正常な軌道に復した。これからは日本と中国という二国間の枠を超え、地域・国際社会の課題に肩を並べて貢献する"日中新時代"のあり方を共に考えていく重要な時期にある」と語りました。続けて、「こうした中で、問題を正面から議論することを常に目指してこられた『東京-北京フォーラム』の役割は極めて重大であり、今回の第15回のフォーラム開催は誠に時宜を得たものだ」とフォーラムが今後の日中関係で果たす役割に期待を示しました。
最後に横井氏は、「いずれの課題も一日で結論の出る簡単なものではないが、こうしたプロセスを継続していくことが重要であり、それが15年間途絶えることなく続いてきた本フォーラムの意義である」と強調し、今日の議論で出された様々な意見や知恵を私たちも参考にしていきたいと語り、挨拶を締めくくりました。
次に、趙啓正氏(中国人民大学新聞学院院長、元国務院新聞弁公室主任)が挨拶に立ちました。趙啓正氏は、「私がいつも考えているのは中日友好のために何かをしたい、何か力になることができればと常に思っており、これについては"エンディング"というものはない」と述べ、中国と日本という地理的・文化的にも大変近い場所にある二つの国の間で友好関係がなければ、それが世界の他地域の人々からどのように見られるのか、ということを常に意識している、と語りました。そして、「中日の友好事業に貢献している皆さんがずっといつまでも元気で、いつまでも聡明でいられることを願いつつ、自身も引き続き中日友好のためにも共に努力していく決意を表明しました。
その後、乾杯の音頭に立った本フォーラムの実行委員長である明石康氏(国立京都国際会館理事長、元国連事務次長)は、「東京―北京フォーラム」も15回目に入り、まさに横井大使の発言の通り、「"日中新時代"に入った」と述べ、「日中が率直に誠実に、ものすごい迫力を持ってこの議論に参加し、時にはぶつかることもあったが、今日の終わりには非常に和気あいあいと友好を深めているのが実態だ」と1日目の成果を強調しました。さらに「私はあくまで表面的な存在であって、日本側のダイナミズムを支えているのは言論NPO代表の工藤さんだ」と語り、これまでのフォーラムの継続に敬意を表しました。
最後に明石氏は、「このフォーラムに参加する皆さん、またその他の国々の皆様のより一層のご健康を祈り、このフォーラムが日中関係のより一層の発展に貢献することを祈念する」と本フォーラムへの強い期待を示したあと、明石氏の乾杯の発声を行い歓談が始まりました。
レセプションの中締めとして、言論NPO代表の工藤泰志が挨拶を行いました。その中で工藤は、「私たちは歴史的な大きな変化の中で、まさに世界を変える、世界の中でのルールベースに基づく自由なかたち、そして多くの人たちが平和を実感できるような社会を作るために命がけで取り組むつもりである」と力強いメッセージを発しました。そして、2005年第1回からの積み重ねを振り返り、「今日、王毅外相に15年前の若い写真を提供し、その当時日中関係が非常に危険な状況にある中で、それを変えるために我々が立ち上がり、そして王毅外相がそのための努力をしてくれた」という経緯をあらためて説明。
さらに、「日中双方の強い志を持った人たちが結集したからこそ、新しいス タートを始めたい」と意気込みを述べると同時に、「中国のこんなに大きな仲間がたくさんいることで、我々は非常に大きな動きを作っていける確信がある」と1日目の成果を総括し、挨拶に代えました。
明日の2日目は、北京コンセンサスを採択し、「第15回 東京-北京フォーラム」は閉幕する予定です。