東アジア地域の安全と持続的な平和のために日本と米国、中国、韓国の4カ国から17氏の有識者が2020年1月21日、東京に集まり、「アジア平和会議」を立ち上げた。
会議では、北東アジアに構造的な対立と緊張があり、多くのホットスポットがあるにも関わらず、二国間関係が安定的にものになっておらず、また安全保障に関する信頼醸成の仕組みや多国間の協議が枠組みすら存在しないことへの懸念を共有。この会議が、信頼醸成の対話の舞台になると同時に、この地域の危機管理メカニズムの向上や将来の安定的な平和の枠組みに向けて作業を開始することで合意し、以下を確認した。
- 1.北東アジアでは偶発的な紛争リスクは高まっており、こういう時だからこそこれまで以上の各国間の交流が必要である。またこうした紛争を予防して、防止するために拘束力の高い仕組みを二国間でより強化する必要がある。また、アジア平和会議では定期的なレビューを行うい、こうした努力を通じて最終的にこの地域全体で共有できる枠組みを目指す。
- 2.将来の北東アジアの持続的な平和に関しては、まず目指すべき平和原則を不戦と反覇権、さらには法の支配とする。
- 3.この会議で話し合われたことは今後の日米、日中、日韓の二国間会議でさらに議論し、具体化し、次回のアジア平和会議に反映させる。次回のアジア平和会議は2021年1月に東京で開催する。
2020年1月 アジア平和会議
「アジア平和会議」創設メンバー ※順不同
【日本】
工藤泰志(言論NPO代表)
宮本雄二(元駐中国大使)
西正典(元防衛事務次官)
香田洋二(元自衛艦隊司令官)
河野克俊(前統合幕僚長)
高原明生(東京大学公共政策大学院院長)
徳地秀士(政策研究大学院大学シニア・フェロー)
小野田治(元航空自衛隊教育集団司令官)
増田雅之(防衛研究所地域研究部中国研究室主任研究官)
添谷芳秀(慶應義塾大学法学部教授)
【米国】
デビッド・シェア(元国防次官補)
ダグラス・パール(カーネギー国際平和基金ディスティングイッシュド・フェロー)
ラルフ・コッサ(パシフィック・フォーラム名誉所長)
【中国】
張沱生(中国国際戦略研究基金会学術委員会主任)
賈慶国(北京大学国際関係学院前院長、政治協商会議常務委員)
張蘊嶺(中国社会科学院学部委員)
【韓国】
チェ・ガン(アサン研究所副所長)
イ・サンチョル(元国家安保室第1次長)