言論NPOがこの9月から10月にかけて行った世論調査は、深刻化する米中対立に対する日本と中国の両国民の意識や北東アジアの安全保障や経済に関する影響、さらにこうした困難な局面で今後の日中関係に対する両国民の意識を探るもので、特に米中対立下の中国人の意識を明らかにする点では世界で初めての試みになる。
今回の調査では、「日中関係は重要」だと考え、日本との新しい協力関係を期待する中国人が大きく増えている一方で、最近の中国の行動や米中対立などを背景に、日本人の対中印象や現在の日中関係に対する認識はこの一年で悪化していることが明らかになっている。
また、86.2%と9割近くの中国人が米中対立の原因が米国にあると見ており、また半数近くの中国人は、米中対立は長期化し、「新冷戦」と見られる状況にまで悪化すると見ていることがわかった。
これに対して日本人で、米中対立の原因が米国にあると見る人は4.4%に過ぎず、最も多いのは米中双方が原因だという見方である。ただし、米中対立下での「日本の立ち位置」については、「日本は米中のいずれにもつかずに世界の協力発展のために努力すべき」と考える日本人が58.4%と半数を超え、「米国の関係を重視すべき」の20.3%を大きく上回っていることも明らかになっている。
この世論調査は言論NPOが中国の国際出版集団と共同で毎年行っているもので、今回が16回目になる。
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