【座談会】張平中国日報インターネット版社長交え日中メディア交流

2004年3月18日

040318_01.jpg渡辺良行 (毎日新聞総合メディア局事業局長)
河野徹 (共同通信メディア局編集部次長)
青樹明子 (元北京放送キャスター、ノンフィクション作家)
牧野義司 (ジャーナリスト、言論NPO理事)
司会:工藤泰志(言論NPO代表)


張氏「日本よりも欧米情報ニーズが高い」「経済交流強いのに対日親近感薄い」

言論NPOは3月15日、東京港区赤坂の日本財団ビル会議室で、言論NPO主催のシンポジウム出席で来日した張平中国日報インターネット版社長と共同通信、毎日新聞などのインターネットメディアにかかわる責任者との間で日中メディアをめぐる座談会を行いました。

張氏は、座談会で、中国のインターネットメディアの現状について、2003年末段階で8000万人のネットユーザーが出現し、わずか半年前の6800万人から急成長していること、いまや日本を抜いて第2位となりトップの米国に追いつく勢いであることを明らかにしました。

さらに、張氏は、中国政府がインターネットメディアに対して開放政策をとり、民意の把握と同時に、そこから出てくる声や意見を政策に反映させようとしており、これを受けてネットメディアには新規参入企業が増えると同時に、若い人たちを中心にネットの広場で自由に意見を闘わせる動きになってきて、新聞などの既存メディアと違う新しい社会的な存在になりつつあることを明らかにしました。

ただ、張氏は、日本との関係について、経済面では日中は貿易を含め活発になっているのに、情報ニーズという点では中国のネットユーザーは日本よりも欧米に関心が強いこと、また日本に対する親近感もアンケート結果を見ても下がってきており残念だと述べました。

これに対して、日本のメディア関係者からは、中国がインターネットメディアを通じて新たな社会変革を進めつつあることを評価する半面、ネットの広場での意見交換などにどこまで自由度があるのか、といった質問や、中国の日本報道がネガティブになったりすることが中国の人たちに時々、反日的な言動をもたらしたりしてはいないか、といった指摘もありました。

言論NPOは3月15日、東京港区赤坂の日本財団ビル会議室で、言論NPO主催のシンポジウム出席で来日した張平中国日報インターネット版社長と共同通信、毎日新聞などのインターネットメディアにかかわる責任者との間で日中メディアをめぐる座談会を行いました。