「第9回 北京‐東京フォーラム」の事前協議が2日、北京市の長安倶楽部で開かれ、日本側からは言論NPO代表の工藤のほか、本フォーラムの実行委員長である明石康氏(国際文化会館理事長)、同副委員長の宮本雄二氏(元駐中国大使)、田波耕治氏(三菱東京UFJ銀行顧問、元国際協力銀行総裁)、山口昇氏(防衛大学校教授)が、中国側からは趙啓正氏(全国政治協商会議外事委員会主任)、呉建民氏(外交部外交政策諮問委員会委員)、魏建国氏(中国国際経済交流センター副理事長兼秘書長)、楊毅氏(前国防大学戦略研究所所長、元海軍少将)、李薇氏(中国社会科学院日本研究所所長)ら全12氏が参加して開催されました。
今回の事前協議では、「第9回 北京‐東京フォーラム」を日中平和友好条約締結35周年の日である本年8月12日に北京で開催すること、日中関係が非常に厳しい状況にある中、民間対話として関係改善に向けた具体的な一歩を踏み出すための準備を開始することなどが合意されました。
まず、冒頭で工藤が「今回、日本側は年初より各方面と協議を行い、準備を進めてきた。次回の『第9回 北京‐東京フォーラム』を単なるイベントではなく、両国関係の改善につなげるような対話にするためにも、8月まで継続して協議を行うプロセスが大事であり、同時に私たちが実施している対話について、両国の政府及び国民に伝えなければならない」と述べ、日本側主催者として今回の対話の意義と重要性を説明しました。
続いて、明石氏は「日中関係は現在、大変深刻な局面にあるという認識を強く持ちながらも、未来志向で対話を進めていくべきであり、互いの共通目標や共通利益に焦点をあて、両国民の世論に大きな影響を与えるような民間対話にするべき」と語りました。また、宮本氏もこの意見に同調し、「日中両国の関係はこれまでにない程に危機的な状況にあり、相手国に対しての印象も悪化したが、一方でなお、大部分の人が日中関係は大事であるという認識を持っている。この『北京‐東京フォーラム』の大局的、かつ建設的な議論を日中世論の主流にするためにも、両国政府と国民に広く議論を伝えなければならない」と続けました。
そして田波氏、山口氏からは、専門家的立場から冷静な議論を行い、日中が抱える課題を解決しようとする取り組みが重要である旨が指摘されました。
これに加えて、呉建民氏が昨年7月の「第8回 東京-北京フォーラム」にて日中双方で合意された「東京コンセンサス」について、「現在の両国の状況から見てもこれは大変重要であり、日中のフォーラム関係者で即時に具体的な動きをはじめなければならない」と述べ、「東京コンセンサス」の重要性を指摘しました。
また、趙啓正氏はインターネット上で少数の過激な発言が過剰に取り上げられ両国関係をより悪化させている点に懸念を示し、広い視野に立ちながら世論をリードできる議論の必要性を強調しました。
この他、魏建国氏、李薇氏、楊毅氏など中国側参加者から、フォーラムの影響力と発信力を強化するための具体策として、分科会のあり方、テーマの選定やパネリストの人選の仕方について様々な提案とアイデアが出されました。
最後に、主催者である言論NPOと中国日報が、今日の会議で指摘された具体的な点について、8月のフォーラムに向けて調整し、準備を進めて行くことで合意し、会議を締めくくりました。
事前協議での議論は半日にわたって行われ、日中両国の関係者間で開催日・場所などの基本方針が決定され、その後、両国メディア約40名を前にした共同の記者会見にて発表されました。
事前協議終了後、日本側参加者が今回の協議を振り返りました。
言論NPOでは今後もWebサイトにて、「第9回 北京‐東京フォーラム」に関しての情報をお伝えしていきますので、是非ご覧いただければと思います。
「第9回 北京‐東京フォーラム」の事前協議が2日、北京市の長安倶楽部で開かれ、日本側からは言論NPO代表の工藤のほか、本フォーラムの実行委員長である明石康氏(国際文化会館理事長)、同副委員長の宮本雄二氏(元駐中国大使)、田波耕治氏(三菱東京UFJ銀行顧問、元国際協力銀行総裁)、山口昇氏(防衛大学校教授)が、中国側からは趙啓正氏(全国政治協商会議外事委員会主任)、呉建民氏(外交部外交政策諮問委員会委員)、魏建国氏(中国国際経済交流センター副理事長兼秘書長)、楊毅氏(前国防大学戦略研究所所長、元海軍少将)、李薇氏(中国社会科学院日本研究所所長)ら全12氏が参加して開催されました。