言論NPOと中国国際出版集団が2012年6月20日に公表した「第8回日中共同世論調査結果」では、日中両国民ともに現在の日中関係は悪化傾向にあると見ており、また、両国の発展を妨げる問題として「領土問題」があると考えていることが明らかになりました。
日本人の「中国に対する印象」は大幅に悪化した昨年よりもさらに悪くなり、「良くない」が84.3%と8割を超えました。これは反日デモが頻発した05年の水準を上回り、過去8回の調査の中でも最悪であり、日本側の国民感情悪化が顕著となっています。また、日本世論の53.7%、中国世論の41%が現状の日中関係を「悪い」と見ており、日中両国民ともに現在の日中関係は悪化傾向にあると見ていることがわかりました。
今回の調査では、領土問題をメインにした設問を初めて加え、「日中間に領土問題は存在しているか」と尋ねました。日本政府は以前から「日中間に領土問題はない」との立場を示していますが、日本世論の62.7%、中国世論も59.3%が「領土問題が存在している」と回答しており、両国民の約6割が領土問題の存在を認識しています。また、日本世論の40.7%、中国世論の52.7%が「両国間ですみやかに交渉し解決すべき」と回答しており、今回の世論調査は日中の領土問題が新しい局面に入っていることを示しています。
「東アジアの海洋で日本と中国などの間に軍事紛争は起きるか」という質問では、「数年以内に起こると思う」と「将来的には起こると思う」の回答を合わせると、日本世論の27.2%、中国世論の50.2%が「起きる」と考えており、領土問題の意識の高まりとともに、日中両国民ともに軍事紛争の懸念が出始めています。
この調査は、言論NPOと中国の国際出版集団が毎年共同で実施しているもので、今年は4月から5月にかけて実施しました。
世論調査の全設問の調査結果を読むには、アカウント登録が必要です。
全設問の結果データ集を見るには、言論NPOの会員登録が必要です。※現在、会員ページを準備中です。順次公開してまいりますので、もうしばらくお待ちください。
ログインして世論調査の全設問の調査結果を読む
ご入会・新規登録はこちら