今回の実行委員会には27名の実行委員が参加し、オブザーバーも合わせ40名ほどのメンバーが昼食を交えながら、開催まで残り約1ヶ月半となった「第4回 東京‐北京フォーラム」の運営について話し合う大規模な会合となりました。
まず言論NPO代表の工藤より、この日の実行委員会の議事次第について簡単な説明があり、その後、小林陽太郎実行委員長が挨拶を行いました。この中で小林氏はこれまでの3回のフォーラムを振り返り、「日中関係が安定しつつある今だからこそ、新たに発生した諸問題についてより現実的で具体的な議論を行う必要がある」と、本フォーラム開催の意義を改めて主張しました。
続いて、副実行委員長である安斎隆氏による紹介を受けて、新しく加わった実行委員会メンバーである佐々木元氏(日本電気株式会社代表取締役会長)、副島利宏氏(三井物産株式会社 代表取締役副社長執行役員)、鷹城勲氏(日本空港ビルデング株式会社取締役社長)、武藤敏郎氏(株式会社大和総研理事長)、藤澤秀俊氏(日本放送協会 解説委員長)の5氏から挨拶がありました。
その後工藤から、「第4回東京‐北京フォーラム」の概要について説明が行われました。工藤は、先の訪中で行われた中国側との交渉の内容に触れながら、「本フォーラムを9月の15日から3日間の日程で開催すること」「7分野の分科会を行うこと」「共同世論調査の結果を公表する記者会見を、9月8日に行うこと」などを、決定事項として報告しました。また、今回のフォーラムでの新たな試みとして、①全体会議の中にパネルディスカッション形式の「政治対話」を盛り込むこと、②中国の政府関係者に、今後の政治・経済運営について説明を求める「ランチフォーラム」を開催すること、③「食料」「地方」の分科会を新設することの3点を挙げました。さらに、「メディア」分科会でインターネット会議形式を導入するなど、よりオープンな議論を行うという方針を説明しました。工藤は、分科会への一般参加者招待について、一部有料化することなども提案しました。
工藤による以上の発言を受け、今度は実行委員会の中心的メンバーから補足説明がありました。
企画委員長である白石隆氏は、中国が世界的な存在感や影響力を強めている状況に言及したうえで、今回のフォーラムではより現状に即した議論を行い、政治だけではなく国民レベルでも関係改善に努めていく必要があると述べました。
副実行委員長の明石康氏も白石氏の発言に同意を示し、例えば「人間の安全保障」などに関して中国はまだまだ内向きの傾向が強いが、このフォーラムをきっかけにして、より多角的で率直な意見交換ができる両国関係を構築していきたいと語りました。
次に、企画委員長代理であり、本日の実行委員会の司会も務めた国分良成氏が、最近の中国の現状について発言し、中国経済については「バブル崩壊の危機や株の暴落など、まだ不安要素が多い」と指摘しましたが、日中関係については「四川地震の際に日本が行った災害支援をきっかけに、中国は協調路線へと舵を切りつつある」と述べ、確実に改善しつつあるという見解を示しました。
工藤もこれらに同意し、「今回のフォーラムでは日中間の協力の問題など、もっと現実的な問題について具体的に議論を行いたい」と語り、その後、フォーラム運営に関する財務状況について説明を行いました。
最後に参加者との意見交換、質疑応答が行われました。この中で、「一部の分科会を有料化して一般参加者を募る」という工藤からの提案に関しては、メンバー間で合意が形成されました。また、前回フォーラムに参加したパネリストからは、「当日の議論をもっとスムーズに行うための工夫が必要だ」との意見も出され、中国側の発言者と事前の打ち合わせを徹底していくことの重要性が確認されました。
副実行委員長の大橋洋治氏は、「8月上旬に関係者間で事前打ち合わせを行う」「9月8日に記者会見を行う」など今後の方針を確認した後、「オリンピック後は中国側にも内政的な問題が発生することが予想されるので、われわれも神経を細やかにし、頻繁に情報共有を行っていく必要がある」と述べ、参加者に対し改めて協力を要請したうえで、この日の実行委員会を締めくくりました。
文責: 学生インターン 高田玲子
今回の実行委員会には27名の実行委員が参加し、オブザーバーも合わせ40名ほどのメンバーが昼食を交えながら、開催まで残り約1ヶ月半となった「第4回 東京‐北京フォーラム」の運営について話し合う大規模な会合となりました。