言論NPOと中国日報社が2010年8月16日に公表した「第6回日中共同世論調査結果」では、国民感情の改善が顕著な中国側に対し、日本側は依然として7割超がマイナスイメージを抱いていることがわかりました。
今回の調査では、まず、中国人の対日イメージについては、「良くない印象」が55.9%となり、昨年の65.2%から比較すると10ポイント程度も改善しているなど、改善傾向が顕著であり、さらに今後の日中関係についても6割が楽観的な見通しを持っていることがわかりました。その一方で、日本人の中国に対するマイナスイメージは、「良くない印象」が72%と7割を超えるなどなかなか改善が進んでいません。
「良くない印象」の理由としては、日本人では、「食品問題等の中国政府の対応に疑問があるから」が71.1%で最も多く、日本人は「現在」の中国を見て、生活感覚で理解しようとしている傾向が明らかになっています。これに対し、中国人のマイナスイメージの理由として最も多いのは、「過去に戦争をしたことがあるから」、「侵略した歴史を正しく認識していないから」など、歴史認識という「過去」の視点が多くなっています。
認識の前提となる交流の度合い、情報源については、両国民の直接交流は依然として極めて少なく、相手国に関する認識はほとんどを自国のニュースメディアからの情報に依存しています。この点は、過去5年間と比較して大きな変化はありません。
また、日中関係が「重要」との認識は、日本人では81.5%、中国人では92.5%と大多数を占め、日中関係と米国との関係については、両国民の多くが「どちらも大事」と見ている傾向は変わっていませんが、中国人の中に米国重視の見方がこの一年で増加しています。
両国関係の懸念材料としては、「領土問題」との回答が最も多いですが、「日中両国民に信頼関係がないこと」を選ぶ人も日中それぞれに多く、相互理解や信頼醸成の重要性を浮かび上がらせています。
この調査は、言論NPOと中国日報社が毎年共同で実施しているもので、今年は6月から7月にかけて実施しました。
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