言論NPOとは

言論NPO「非政治性・非宗教性」に係る自己評価結果に対する意見(2013年報告)

1.言論NPO「非政治性・非宗教性評価」結果について

 平成24(2012)年度、言論NPOの「非政治性・非宗教性」に係る自己評価結果に関して、言論監事の意見を次のとおり報告する。

 言論NPOは、別紙4に記載された規定の評価方法に基づいて自己評価を実施しており、言論監事として、その手法・プロセスに問題がないことを確認した。

 また、評価結果に関して、「非宗教性」については、ネガティブ・チェックリストの全96項目で基準を満す一方、「非政治性」については、全144項目のうち133項目で基準を満すものの、11項目については判定できなかったため、コンテンツ判定基準方式によってさらに評価を行い、いずれも基準を満たしていると自己評価している。言論監事として、手法・プロセスに加えて結果についても問題がないことを確認した。


2.言論NPOの優れている点と課題


【 優れている点 】

・言論NPOは、いわゆる「議論形成」のプロセスにおいて、多くの有識者に参加の機会を提供している。このオープンな姿勢が市民に開かれた言論NPOの議論の特徴である。自ら進んで言論NPOに参加する有識者の意識と質はきわめて高く、結果として質の高い議論が行われ、また発信されている。
・インターネットを活用し、多くの場合に議論の内容を即座に公開している。その際、メールとウェブサイトを連動させるなど、発信の仕方も工夫されており、多くの人にとってわかりやすい記述を心がけている点は評価できる。
・中立性・独立性、そして運営の透明性を維持することは、信頼されるNPOであるために不可欠の要素だと考えられる。言論NPOは他に先駆けて、これらの課題に正面から向かい合い、ウェブサイトや団体パンフレット、さらに平成24(2012)年度からは『年次報告』において、「非政治性・非宗教性」に係る自己評価の結果を、その判定プロセスを含めて詳細に記述するなどの努力を続けている。また、活動の成果のみならず、課題についても様々な機会を捉えて公表する姿勢も評価される点である。


【 課  題 】

1)原点に立ち返り、「非政治性・非宗教性」の重要性を社会に問うこと

 「優れている点」として指摘したとおり、他に先駆けて、中立性・独立性の課題に正面から取り組んできた言論NPOの姿勢は、高く評価されるべきである。故に、日本や世界で言論NPOの評価が高まり、活動が拡大する今こそ、原点に立ち返り、日本のNPO全体にこうした基準が定着するよう、積極的な発信に取り組んでもらいたい。その一環として、様々なメディアを活用し言論NPOの知名度や存在感を高めることも重要である。広く社会から認知され、人々から注目される状態にあることで、常に緊張感を保ちながら「非政治性・非宗教性」をさらに強化することが可能となるからである。同時に、特定の寄付者からの影響を受けず、広く市民に支えられる活動を実現するためにも、個人のメンバー/一般会員の拡大に向けて、「知られる工夫」に一層取り組むべきである。

2)オープン・迅速・継続的に情報を発信すること

 言論NPOのウェブサイトは大変充実しているが、更新のペースが一定しないという問題がある。また、情報の整理が不十分である、と昨年度も言論監事が総会で指摘している。近々ウェブサイトを刷新する計画があると聞いているが、それに合わせて、これまで以上にわかりやすく、オープンで迅速な情報発信に取り組むことが求められる。そうした情報=コンテンツを、多くの人に継続的・安定的に届けることは、言論NPOが中立・独立の非営利シンクタンクとして、今後、市民参加型の議論形成をより発展させるために、きわめて重要である。