言論NPOとは

中立性のための自己評価

「非政治性・非宗教性」に係る自己評価とは

  特定非営利活動法人である言論NPOの活動の原点には、公共(公)を私たち自身が担いたいという強い思いがあります。寄付金無税団体としての公益性を満たすためには、私たちは特定の政治的・宗教的な立場に偏らずに活動を行う必要があり、その中立性を示すために毎年自己評価を行っています。
 二段階によって構成される私たちの自己評価システムは、米国IRS(内国歳入庁)の基準を基に日本で初めて開発したものです。評価プロセス、評価内容及び評価結果は第三者である言論監事によって判定され、その監査結果も含め全て公開しています。結果を全て公開することで、活動の公益性の判断を最終的に市民に委ねる仕組みをとっています。

評価方法

images.png 評価は言論NPOの活動を7事業に分類し、全ての事業を対象に非政治性に関する19項目、非宗教性に関する12項目からなる「ネガティブチェックリスト」によって評価します。

その評価において「非政治性・非宗教性」を満たすとするには疑わしい事業については、5つの客観的な基準(①目的の明確性、②立場の明確性、③ターゲットの明確性、④コンテンツ(事業)形成に係る方法論の明確性、⑤方針決定に係るガバナンス及び透明性)をもつ「コンテンツ判定基準」により再評価します。

評価結果は毎年度理事会での議決、言論監事による判定を経て、通常総会に提出します。ホームページでは、自己評価と言論監事の意見を併せて公開しています。


言論監事の意見

2023年度の言論監事意見

自己評価結果は、外部有識者の監査を受け、そのコメントを公表しています。

長幹事.png言論監事
 長有紀枝(認定NPO法人難民を助ける会会長)
 朝比奈豊(株式会社毎日新聞グループホールディングス相談役)

 令和5(2023)年度、言論NPOの「非政治性・非宗教性」に係る自己評価結果に関する、言論監事の見解を述べさせていただきます。
 まず、この自己評価は第一号報告に記載された規定の評価方法に基づいて行われており、その全ての手法・プロセスに問題がないことを確認しました。また、評価結果に関しても、その内容から、「非宗教性」、「非政治性」を完全に満たしています。
 以上から言論監事として手法・プロセスに加えて、結果についても問題がないと判定します。
 次に、監事意見を申し述べさせていただきます。まず、この評価の際に痛感することですが、以前にもまして現在は、言論NPOの多くの行動・発言が政治的な主張と解釈されかねない局面です。それにもかかわらず、創設以来23年間、言論NPOが自身の活動評価のために独自に作り上げた中立性の評価を行い続け、活動の根幹に据えていること自体に、改めて敬意の気持ちを表したいと思います。
 政治課題に取り組むことと、政治的な活動を行うこととは明確に区別されるべきものです。言論NPOはこの点をしっかりと認識し、自らの使命に挑み続けています。その一貫とした姿勢を、高く評価したいと思います。
 世界では協調よりも対立の傾向が強まり、世界の多くの人がその立ち位置を問われる事態です。言論NPOは、その非政治的、非宗教的姿勢や立ち位置を一層明確にし、政治的に困難であると思われる事案についても、臆せず、民主的なルールと信念に基づいた、国境を越えた協力と民間対話を行い続けています。
 特に「東京会議2024」で私たちが注目したのは、世界の多くがそれぞれのポジションからしか発言ができない中、民主主義国のシンクタンクとして初めて、欧米の国々に広がるダブルスタンダードを議論し、「法の支配」や「人間の尊重」の貫徹を、議長声明として世界に発表したことです。日本発のこのメッセージに日本の未来の可能性を感じたのは、私たちだけではないはずです。
 しかも、その声明のために、幅広い有識者にアンケートを行い、多くの人の発言に耳を傾け、また多くのフォーラムを通じで、多くの人の意見を集めて議論に反映することを徹底している、と伺いました。こうした開かれた姿勢こそが、課題解決に挑む意思と大きな共感の輪を多くの市民層に広げるのだと思います。
 言論NPOの活動自体は依然、経済的にもまだ厳しい局面にあると聞いています。
 しかし、世界の不安定化が強まり、民主社会の後退もこの日本で顕著になる中だからこそ、これまで以上の努力が問われる局面です。
 支持基盤や共感を大きく広げ、世界を代表するシンクタンクとして世界の課題の解決に役立つ存在になることを心から期待しています。


言論NPOの「非政治性・非宗教性」に係わる自己評価結果に関する言論監事の意見


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2020・2021・2022・2023年度言論監事:
 長有紀枝(難民を助ける会会長)
 朝比奈豊(株式会社毎日新聞グループホールディングス相談役)
2017・2018・2019年度言論監事:
 加藤隆俊(公益財団法人国際金融情報センター理事長)
 長有紀枝(難民を助ける会理事長)
2015・2016年度言論監事:
 加藤隆俊(公益財団法人国際金融情報センター理事長)
2013年度言論監事:
 片山信彦(特定非営利活動法人 ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長)
 加藤隆俊(公益財団法人国際金融情報センター理事長)
2011・2012年度言論監事:
 片山信彦(ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事、事務局長)
 国松孝次(救急ヘリ病院ネットワーク理事長)
2010年度言論監事:
 片山信彦(ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事、事務局長)
 北城恪太郎(日本アイ・ビー・エム株式会社最高顧問)
2009年度言論監事:
 田中弥生(独立行政法人 大学評価・学位授与機構准教授)
 北城恪太郎(日本アイ・ビー・エム株式会社最高顧問)