言論NPOは6月27日、東京都内の言論NPOオフィスにおいて、「第21回通常総会」を開催しました。総会には、議決権を有する正会員38名(表決委任者を含む)が出席しました。議長は、アドバイザリーボードから藤崎一郎元駐米大使が選任されました。
議案書決議事項
総会では、言論NPO理事長の工藤泰志が、「令和三年度活動報告」と「令和4年度事業計画」、さらに「令和4年度の予算案」を報告し、全会一致で承認されました。
工藤はその中で、令和三年度は、コロナウイルスの感染の影響によって大きな制約がある中でも、ウェブの全面的な見直しや幅広い議論やフォーラムの展開、アドバイザリーボードや理事体制や「東京-北京フォーラム」の実行委員会の見直しなど「組織基盤の見直しと強化に取り組んだ一年だった」と振り返り、令和4年度の事業は、この令和3年の準備を下に始まった、と説明しました。
工藤はその上で、言論NPOが取り組む令和4年の3つの目標をー①世界の分断をこれ以上悪化させない、②アジアでの紛争を回避する、③民主主義の修復―を提起し、そのために、世界でも唯一の中国との本気の議論の舞台である「東京―北京フォーラム」や、言論NPOが世界有数のシンクタンクとの世界的なネットワークを持つことや「民主主義の修復」が創立時からのミッションであることに言及し、「我々は歴史的な作業に取り組む有資格者であり、その責任を持つことを自覚すべき」と語りました。
そして、こうした作業に取り組むためにも、組織を抜本的に見直し、日本社会に向けた発信力と影響力を再構築したいと語り、今年度に取り組むべき、組織強化や多くの人の参加基盤を広げるためのコンテンツ発信や、国内外の課題を市民自身が考えるための「知見武装」という取り組みのさらなる強化や、日本発の世界会議となる「東京会議」の強化などについて詳しく説明しました。
次に、事務局から「令和3年度の決算」が説明され、これらの議案は全て全会一致で承認可決されました。
監事選任に関する議案では、現監事の松田学氏の辞任に伴う、新たな監事の選任が諮られ、その結果、冨家友道氏の選任が全会一致で承認可決されました。
また、令和三年度の言論NPOの活動に関する「『非政治性・非宗教性』に係る自己評価結果」について、工藤から報告がなされました。この自己評価は、言論NPOの活動の中立性・公益性を保つため毎年実施・公表されているもの。令和三年度の言論NPOの活動については、八分野について評価が行われ、全ての活動プロセスが非政治性・非宗教性を満たしていることが報告されました。
続いて外部の言論監事である朝比奈豊、長有起枝の二氏がこの中立性に関する言論NPOの自己評価に対する監事意見を公表、これらの自己評価が手法、プロセスに加えて結果に関しても「問題がない」とした上で、言論NPOにとって、特定の利害に基づかないという意味での中立性は決定的に大事であり、こうした自己評価を21年に渡り公表し続けている、ことに敬意を表すると同時に、「政治課題に取り組むことは言論NPOのミッションであり、政治課題に取り組むことと政治的な活動を行うことは明確に区別されるべきものだ」と語りました。
役員等の人事については、これまで20年にわたり会計監事を担っていただいた福田修一氏の退任を工藤が報告。後任の会計監事として、西新井税務署長などを歴任された、中村直樹氏の就任が併せて報告されました。
これらの報告で総会は閉会になり、その後は理事・監事やアドバイザリーボードの武藤敏郎氏なども参加し、出席者を交えた懇親会が行われ、活発な意見交換が行われました。
今回の総会において承認された議案と報告事項を公開しておりますので、ぜひご覧下さい。
- 令和三年度活動報告
- 令和四年度事業計画
- 『非政治性・非宗教性』に係る自己評価結果
- 自己評価結果に対する言論監事の意見