言論NPOとは

言論NPO「非政治性・非宗教性」に係る自己評価結果に対する意見(2011年6月報告)

1. 言論NPO「非政治性・非宗教性評価」結果について

 2010年度の活動の自己評価結果を精査した結果、すべての評価対象分野において非政治性・非宗教性共に問題がないと判断する。

 まず、ネガティブチェックリストによる評価の結果、全18チェック項目で「非宗教性」については満たされていると判断されたが、非政治性については12項目については完全に満たしているが、他6項目においてはその政治性について判断がつかなかった。

 そのため、そのすべての項目について、「コンテンツ判定基準方式」による評価を行った。その結果、言論活動の5分野:政策評価事業、「東京-北京フォーラム」及びその関連事業、会員等向けフォーラム、ウェブ論壇、そして出版・広報宣伝いずれもその「非政治性」は満たしていると判断される。

2. 優れた点と課題

「優れた点」

・質の高い発言者を確保しており、議論の質について一定の高い評価を内外から得ている。 ・知識層を中心とした人々が、言論NPOの活動に種々のかたちで参加がなされている。 ・議論の内容が即座に公開されている。また、そのまとめ方もわかりやすく、クオリティも担保されている。

「課題」

 1) 政策(マニフェスト)評価委員の拡充
 ネガティブ・チェックリストによる評価の結果、「非政治性」の判断がつかなかった「政策評価事業」6項目について、政策(マニフェスト)評価委員の増強を図ると同時に、評価会議の公開やアンケートの実施などを行い、評価のプロセスのオープンにして、より市民の参加を促すべきである。

 2) よりオープンな市民参加型の議論形成
 「非政治性・非宗教性」を強化するため、議論形成において常に多くの市民からコメントや意見を募るなど、参加型、且つ双方向性を高めなければならない。言論NPOの議論づくりに参加する顧客を大幅に拡大し、同時にウェブサイトなどで意見を収集し、双方向の議論が出来る仕組みづくりに取り組むべきである。

  3)社会的支援収入(寄付、会費)の内訳の明記
 言論NPOは8千万円以上の収入を寄付によって得ているが、現行の決算書および予算書の記し方では、寄付や会費の総額のみで、それが少人数の大口寄付によるものか、より多くの市民の寄付によるものなのか不明である。寄付や会費は、市民の支持を表わすものであるゆえ、社会的支援収入と言われることもある。そうであれば、言論NPOがどれだけ多くの市民から支えられているのかを示すために、あるいは特定の大口寄付者からの影響を受けていないことを説明するためにも、会員数もあわせて示したほうがよい。

  4) 会員や個人寄附の拡大のための工夫の必要性
 特定の大口ないしは法人の寄附者からの影響を受けずに活動が広く市民に支えられているものにするためにも、会員と個人寄附の拡大は急務である。
 2010年度はウェブサイトやイベントを通じて、広く浅く市民から寄附を集めようとする取り組みがあったものの、個人からの寄附の総額は他のNPO法人と比べ未だに小さい。寄附や会員を募る際のメッセージや仕方に未だ工夫の余地があると思われる。また、ガバナンスや透明性のチェック、募金の際の倫理規定などを作成し、しっかりとアピールすることも必要である。