同盟国米国への日本国民の信頼が後退する中で、日本外交の今後について二氏がコメント

2025年11月21日

日本の世論は日米同盟下での外交的自立を求めている     欧州やアジアとの連携が日本における自立外交の鍵

                               

  武田康裕(防衛大学校名誉教授、東京国際大学教授)            松田邦紀(前駐ウクライナ特命全権大使)      

Q. 米国を同盟国として信頼しているか

第一に、「これまでは信頼していたが、今は信頼していない」(21.1%)
と「以前から信頼していたことはない」(12.4%)を合わせた不信感
(33.5%)が、「信頼している」(17.8%)と「それまでは信頼していな
かったが今は信頼している」(1.9%)を合わせた信頼感(19.7%)を
13.8ポイントも上回った。第二に、「これまでは信頼していたが、
今は信頼していない」(21.1%)から「これまでは信頼していなかった
が、今は信頼している」(1.9%)を差し引いた不信感の純増は19.2
ポイントであった。

米国に対する評価は、昨年までは同盟国として「信頼している」
との見方が38.9%(※1)であり、「信頼していない」との見方の
14.3%(※2)を上回っていた。

しかし、今年は「信頼していない」が33.5%(※3)であるのに対し、
「信頼している」が19.7%(※4)となっている。

米国は信頼できる同盟国から信頼できない同盟国へと劇的に転換した。
その原因は...続きを読む

今回の日米同盟に関する世論調査の、同盟国である米国を信頼
して
いるかとの設問で、「これまでは信頼していたが、今は信頼し
ていない」
という回答が20%を超え、最多だったことには驚いた。

日本国民はこれまでの日米外交を、極めて冷静な目で見始めた

現状の米国の行動を見ると、日本の国民の健全な判断力が反映し
ている
結果だとは思うが、米国の核抑止力に今後も頼るべきか、
との問いには
「強くそう思う」「ある程度そう思う」が半数を超
えている。

米国は信頼できない。しかし、核を考えると他に選択肢はない。
この二つの問いに現在、日本が置かれた難しい状況が表れている
と思う。

これは、私がこれまで付き合ってきたウクライナ、ヨーロッパの
いくつ
もの国も同様で、多くの国が現在この矛盾に直面している。

日本国民は...続きを読む