ウェブサイトリニューアルにあたって 言論NPO代表 工藤泰志
言論NPOは今年、創立25年目を迎えました。この節目にあわせて、私たちはウェブサイトを全面的にリニューアルしました。
その理由は、創業以来変わらない一つの使命を、いまの時代にふさわしい形で果たすためです。
課題解決の意思をもつ世論こそ、民主主義の土台
日本でも世界でも、感情的な声が強まり、事実に基づく冷静な議論が成立しにくい時代が始まっています。
強い言葉が注目され、事実や本当に議論すべき課題を語る人が少なくなる。
私はこれを民主主義にとって、静かだが深刻な危機だと考えます。
社会の課題を正面から見つめ、“どうすれば解決できるのか”を議論し、選び取る力―。
課題解決の意思をもつ世論こそが、健全な民主主義の土台です。
この土台が揺らいでいる今こそ、言論NPOは「言論空間の再建」という創業の使命を、改めて強く掲げる必要があります。
ウェブ全面リニューアルは、言論空間を立て直す第一歩
嘘の情報が溢れ、社会分断が拡大する時代にあって、社会の課題に“正確に、わかりやすく、深く”向き合える場が必要です。
今回のリニューアルは、単なるデザインの刷新ではありません。
- 信頼できる情報と事実を、よりわかりやすく
- 社会課題の重要性が一目で伝わる構造に
- 市民が議論に参加しやすい仕組みを整備
- 世界課題の解決をこの日本から世界へ発信する基盤を強化
これまで蓄積してきた知見を活かしつつ、新しい言論の器を一つ一つ丁寧につくり直しました。
これはまさに、「課題解決の世論を育てる」ための言論空間再建プロジェクト の第一歩です。
DO-TANKとして、日本に“対話の外交舞台”を築く
25年目の言論NPOは議論をつくるだけではありません。
日本の世界の未来に向けて「課題解決」を動かす**DO=TANK(行動するシンクタンク)**へ進化します。
その中核に位置づけているのが、多くの世界主要国のシンクタンクとリーダーが集う「東京会議」 です。
分断と対立が進む国際社会において、世界が力を合わせ課題に挑み、ルールに基づく世界を目指す。
そのために、世界が協力し、その解決策を共につくり、世界に強いメッセージを送る場を日本に作るー
それを私は民間の力でできる“新しい外交”の形だと信じます。
「東京会議」を通じて、「日本に世界と対話する舞台をつくる」
これが25年目の言論NPOが掲げるもう一つの大切な目標です。
未来をともにつくるために
言論NPOの活動は、これまで支えてくださった皆さまの存在なくして成り立ちませんでした。
心から感謝申し上げるとともに、私たちの25年目の取り組みは、皆さまと一緒にこそ実現できるものだと強く感じています。
課題解決の意志を持つ世論と、日本に世界が集まり、対話が生まれる世界的な外交の舞台の創造
その土台を、市民社会の力でつくる挑戦に、どうか今後もご参加いただければと思います。言論NPOの新しい出発に、ぜひご期待ください。
代表 工藤泰志