今回のフォーラムは今までの3回に比べて分科会の議論は質の面でも数段良くなったと思います。それは日中間の現状の課題解決に皆が向き合う、という本気の議論にかなり近づいたからだと思います。第1回のフォーラム開催の時には、日中対話なんかやっても中国は建前的な議論しかしないから、本音の議論になんかなりっこない、と皆に言われました。確かに僕もそう思ったし、中国側も自分の政府の立場で説明することが議論だという感じが強かったのも事実です。今回も、実は新しく来た人の中には、そのような説明口調になる人もいました。ただ、それにもかかわらず、実際の舞台では議論がかなり噛み合った。これはどういうことなんだろうと思って考えてみると、やはりこの「東京‐北京フォーラム」は、日中の参加者が本音で議論する舞台なんだという意識がかなり定着してきたのではないか、と僕は思います。