問題の多い高市答弁。対立の長期化が予想される中、対話を閉じずに外交で解決していく必要がある
~言論フォーラム「存立危機事態、何が問題だったのか」~
参加者:香田洋二(元自衛艦隊司令官)
佐藤武嗣(朝日新聞論説主幹)
神保謙(慶應義塾大学総合政策学部教授)
牧原出(東京大学先端科学技術研究センター教授)
山口壯(自民党国際局長、衆議院議員)
司会者:工藤泰志(言論NPO代表)
高市首相が台湾に対し武力攻撃が起き、海上が封鎖された事例について「存立危機事態になり得るケースだ」と答弁したことに中国が強く反発し、両国の対立が深まっています。そこで、言論NPOは12月16日に「存立危機事態、何が問題だったのか」をテーマに議論を行い、高市答弁の問題点を明らかにしました。
高市首相の答弁に対しては、厳しい評価で五氏は一致。山口氏が「具体的な国名を挙げないようにすることが、歴代内閣の『作法』だったが、それを首相自身の言葉で語った」ところに問題があったと語ると、佐藤氏は、「様々な前提条件に言及せずに言ったのは不正確だし、首相が公の場で発信することの意味合いを認識することなしに発言したのは軽率」などと批判しました。牧原氏は「官邸が機能しておらず、『こういうことを言ってはいけない』というレクチャーがなかった」などと語り、こうした答弁になった背景には官邸の機能不全があるとの見方を示しました。ただ、答弁の撤回については五氏はいずれも「すべきではない」としています。
また、米国との関係にも議論が及ぶと、トランプ大統領からの助言をしっかりと受け止めなければ「今度は米国との間にも距離ができてしまう」(山口氏)などの懸念が各氏から相次ぎました。
対立の長期化が予想される中、解決のために必要なことについては、「対話を閉じずに外交で解決していく必要がある」(山口氏)など外交の重要性が示されましたが、現状の政府の取り組みは不十分との指摘も寄せられました。