言論NPOは9月1日、10回目となる日韓共同世論調査結果を公表しました。
2020年大幅に悪化した日韓の国民意識は改善傾向となり、特に韓国人は2019年の水準に戻る一方、韓国の対中国への意識は様々な項目で悪化していることが明らかになりました。
この調査は、言論NPOと韓国の東アジア研究院(East Asia Institute, EAI)が2013年から10年間継続して毎年共同で実施しているものです。
日本の18歳以上の男女を対象に7月23日から8月14日まで訪問留置回収法により実施され、有効回収標本数は1000。
韓国側の世論調査は、韓国の18歳以上の男女を対象に7月21日から8月8日まで調査員による対面式聴取法により実施され、有効回収標本数は1006です。
- 2020年に大幅に悪化した韓国国民の日本への意識は改善し、日本に対する「良くない」印象を持つ韓国人は(今年:52.8%、昨年63.2%、一昨年71.6%)、2019年の水準(49.9%)に戻った。日本人は48.8%から40.3%に8.5ポイントも減少しており、両国ともに調査を開始した以来、最も大きな改善となった。
【2】日米などが実施している対中国への経済関係を制限する動きに対し、「賛成する」韓国人は62%と6割を超え、日本の47.5%を超えた。
【3】世界の民主主義国が人権問題や強硬姿勢などで対中圧力を強め中、「同調すべき」とする韓国人は60.7%と6割を超え、日本人の39.6%を上回る。
【4】韓国人が「自国経済にとって最も関係が大事である」と考えているのは「米国」が8割で突出し、「中国」が64.7%で続くが、昨年の80.4%から大幅に減少した。
【5】中国を軍事的脅威だと感じている国民は昨年の61.8%から65.0%に増加した。
【6】米中対立下で、日米韓の三カ国の軍事・安全保障の協力については、協力を強化すべきと都の回答が昨年から8.2ポイント増え、72.4%と7割を超えている。その賛成の理由で、韓国人で増加が目立つのは「中国の台頭に対応するため」で、40%から51.7%になっている。さらに、韓国の半数を超える人は、QUADへの参加に賛成している。
そのため、国民の意識は政府に対応を迫っており、現状の日韓関係を「改善すべき」と考える人は、日本人で53.4%と昨年の46.7%から膨らみ、韓国人は81.1%(昨年は71.1%)と8割を越えている。
今回の調査結果をベースに9月3日(土)に開催される「第10回日韓未来対話」の詳細はこちらから